2話 ページ3
「し、しゃべる狸！？」
「誰が狸じゃーー！！
オレ様はグリム様なんだぞ！！」
あの猫はどうやらグリムという名前らしい
「そこのニンゲン！
オレ様にその服を寄越すんだゾ！」
「おい、猫が制服欲しがってるぞ」
「制服って...そういえば私達も着てない？
なんか見たことないの」
「おっ！ほんとだ！
これ....なんか魔法使いみたいでカッケーな！！」
「状況がこんなのじゃないならね」
はしゃぎ出した伊吹を放って前方に視線を戻すと
「狸に丸焼きにされる夢なんて、斬新すぎる！」
「コイツ待つんだゾ！！」
棺桶から出てきた男の子は出口から外へ飛び出すと
不思議な猫もそれを追いかけていった
というかよくあそこ出口って分かったな
私はさっぱり分からんかった
「あー、追いかけるか？」
「今んとこ手がかりないしね」
あの2人いや正確には一匹を追いかけるために
出口にでようとした瞬間
「貴方達こんなところで何をやってるんです！？
入学式はとっくに始まっていますよ！！」
「だっ、誰だよアンタ！？」
「誰？おやおや可笑しなことを言いますねぇ
まだ記憶が混乱しているんでしょうか....
私は理事長よりこの学園を預かる校長
ディア・クロウリーと申します」
「学園って？」
「決まっているじゃありませんか
『ナイトレイブンカレッジ』
世界中から選ばれた類稀なる才能を持つ魔法士の卵が集まるツイステッドワンダーランドきっての名門魔法士養成学校のことですよ」
ナイト...なんだって？
あぁ、頭痛くなってきた
「ところで貴方達もう1人の新入生を見て
いませんか？
私、3人も連れていかないといけないんですけど」
新入生ってことは...さっきの子かな
「棺桶に入っていた子なら....猫に追いかけられて
外に出て行きました」
出口を指差しながら言うと
「何ですって！？
勝手に扉を開けて出てきてしまった新入生など
前代未聞ですよ！！
それに手懐けられていない使い魔の同伴は校則違反
です！！全く....先が思いやられますねぇ
それでは使い魔と新入生を迎えに行きましょう
貴方達も私についてきてください
逸れないように」
何か大変だなこの人...
えっと、ディア・クロウリーさんだっけ
未だに文句というか怒りながら歩く仮面をつけた
その人の後をついていくと
あの猫に追い詰められている茶髪の男の子がいた
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作者名：翠連華 | 作成日時：2020年5月31日 0時
