2章 Part10 ページ31
まともに話せる状態じゃない。
私は自分から炭治郎から離れようとした…のだが彼の手は私を解放してくれはしなかった。
私は無惨様が好き…愛してる…だけど…今は少しだけ…貴方が怖いの…
無惨)Aを離せ…
炭治郎)嫌だ。彼女はここに居るべき者じゃない!!
どうしたら…いいのでしょう…
もっと私の体が強ければ…いや、大昔から間違っていたのだ。産まれる前から。
私も無惨様も体があんなに弱くなければこんなに「生」に執着して居なかっただろう。
こんな悲劇が生まれることは無かっただろう。
あの時私が少しでも力になれていたのならば…こんな悲惨なものはなかっただろうに…
私は無意識に炭治郎くんの手をすっと退け、無惨様の方へ行った。
炭治郎)っ…なぜ…
A)…ごめんなさい。こんなひとでも…愛してるの…今も昔も変わらない。ずっと…
炭治郎)…鬼舞辻無惨にはもう感情なんて無い…もう君の知っている無惨じゃないんだ!!
A)それでも…それでも私は…ッ!?
言いかけた途端後ろから無惨様に口を塞がれた。
無惨)黙れ。
A)…
無惨)竈門炭治郎。お前に交渉をもちかけよう。
炭治郎)…なんだ
無惨)太陽を克服した鬼…お前の妹を私に差し出せ。そうすればこいつはお前にやろう。
炭治郎)ッ!?…お前は…どこまでクズなんだ…ッッッ!!!
無惨)いつまで経っても人間の頃の記憶が残っているお前は私にとってただの邪魔者だ。
あいつの言う通り私はもうお前に愛情など無い。
A)…
耳を疑った。こんなに脆く儚い糸で繋がれていた関係だったのだろうか。
「「私はなんの為に生きていたのだろうか」」
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作者名:天野 空 | 作成日時:2020年12月19日 0時