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Yuya side
「起きた！」
大ちゃんの大声で目覚める。
意識がはっきりしてきて、
顔を上げるとベッドの上でぼーっとしている
伊野尾くんの姿が見えた。
「よかった…」
思わず安堵のため息が出る。
起きたのは俺が最後らしい。
結局全員病院で泊まってしまったのだ。
「やぶは？」
そう呟いたのは伊野尾くんで、
誰も答えられずに下を向いて視線を彷徨わせる。
「まだ起きてないよ。信じて待ってよう？」
俺はそれしか言えなかった。
「待つ、けど眠い…」
「寝てていいよ。まだ熱あるでしょ。」
触れた伊野尾くんの手はほんのり熱い。
もしもあの時伊野尾くんが屋上に行かなければ
薮くんは未だに雨に打たれたままだっただろう。
それを想像するととても怖い。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
静寂を破ったのは薮くんで、誰かに謝っている。
「やぶ…ね、起きてよ…お願い…大丈夫だから…」
光くんが声をかける。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
誰に謝っているのか、何で謝っているのか。
何一つわからない自分が悔しい。
そっと光くんが薮くんの手に触れる。
「俺もごめんね…」
光くんの目から一筋の涙が零れおちる。
この日
そのまま薮くんが目覚めることはなかった。
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奏月聖夏(プロフ) - ありがとうございます。また、投稿することがあれば是非読んでください。 (2017年12月31日 9時) (
レス) id: 2c6cd7e724 (このIDを非表示/違反報告)
もー - すごい！続編楽しみにしてます！ (2017年12月30日 17時) (レス) id: 6fb8fb0ba0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏月聖夏 | 作成日時：2017年12月25日 22時
