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Ino side
探し始めて30分。
外では雨が激しく降っている。
まだ見つからなくて、
もうこのビルの中にいないんじゃないか…
このビルの中、
つまりその外である屋上は誰も探していない。
ありがたいことに俺は今、最上階にいる。
もう一つ上につながる階段があるはず…
いや、そっちから行けば
雨が降っているから入れない。
浸水防止のために鍵がかけられる。
でも、あの抜け道を使えば…きっと行ける。
10年以上前に手越が教えてくれた。
JUMPで知っているのは俺と薮しかいない。
走り出した。
何回も通った道だから、迷わず行ける。
屋上に続くドアを開けると
激しい雨が叩きつけて前が見えない。
「やぶ！」
「やぶ！」
何度も叫ぶ。
返事は、ない。
俺自身がすごく濡れていて、寒い。
いないか、でも絶対ここにいる。
何かあったらいつもここに来ていたんだから、
無意識のうちにここに向かっていても
おかしくない。
「やぶ！」
やっぱり、いないか。
諦めて戻ろうとした時、かすかに声が聞こえた。
何か言っている、としか分からないが
薮の声に似ている気がする。
声を頼りにその方に向かう。
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奏月聖夏(プロフ) - ありがとうございます。また、投稿することがあれば是非読んでください。 (2017年12月31日 9時) (
レス) id: 2c6cd7e724 (このIDを非表示/違反報告)
もー - すごい！続編楽しみにしてます！ (2017年12月30日 17時) (レス) id: 6fb8fb0ba0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏月聖夏 | 作成日時：2017年12月25日 22時
