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「銀時、大人になったなぁ」
もう会わないと決めていた彼が、私の前に現れた
まさか銀時が事件の真ん中にいるなんて思わなかった
「はぁ」
今日は非番
屯所の縁側で横になり空を仰ぐ
あの日とは違う、雲一つない快晴
血を浴びていたあの頃とは、違う
「…それは今も変わらないか」
それより、だ
これからどうやって銀時と会わないようにするか
男装をしていたのは、真選組は基本男のみだから
まあ女禁制って訳でもないし、無理してしなくてもいいのだが
もう1つ理由を上げると、なんとなく銀時に会いそうだったから
私の予感は昔から外れる方ではない
「こんなところで当たらなくてもいいのに…」
ため息混じりに言うと、快晴だった空に影が落ちる
「…土方さん」
私の視界の青い空はイケメンの顔でいっぱいになった
「何してんだよ」
「日向ぼっこです」
「そうかよ。」
「土方さんもどうですか?」
「俺ぁ仕事があんだよ。それより」
「?」
「仕事だ。緊急の」
「…まさか」
「将軍のペットが脱走したんだとよ」
「将軍かよーーーーー」
「さっさと隊服に着替えて表集合だ」
「…私今日非番んんんん…」
私の嘆きは土方さんには届かない
もはや意味はあるのかとも思うが
数年間付け慣れた短髪のウィッグを被り、隊服に袖を通した
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作者名:ハル | 作成日時:2019年8月16日 21時