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「泣きながら言うんじゃねーよ」





「え?」







急に身体が動かなくなる





後ろには、寝ていたはずの銀時





彼の手は、私のお腹に回っている






「お、きて、たの…?」






予想外のこと過ぎて、頭がついていかない






「あんなに騒がれちゃ、寝られるもんも寝られねーだろ」






銀時の声が肩越しに聞こえる





低くて、だるそうな声






「何、お前何がしたいの」





「…」





「この前からずっと。突き放したと思えば俺の事助けやがって」





「…」





「そのくせ、泣きながら俺の寝込み襲って勝手にどっか行くのか」






銀時は私から身体を離した






「またあの時みたいに、俺を置いてくのかよ」






『無茶ばっかするなぁ』






数年前の記憶が嫌でも思い出される






「…」





「A」






ダメだ





「こっち向けって」






「…やめて」






これ以上呼ばないで






「A!」






気持ちが溢れ出てしまいそうだから






「やめてよ!!」






銀時は私の肩を掴み、私と向き合わせる






「A…」





「……」






自嘲気味に言葉を発する






「銀時は知らなくていいんだよ」






私は笑って言った






「それに、さっきから泣いてるとか言うけど、涙なんて出てませんけど」





「、お前…」





「似蔵に目までやられちゃった?」





「お前は会った時からずっと泣きそうな顔してたじゃねーか!!!」






銀時が大きな声でいう






「…傷に触るよ。そんな大声出したら」





「今はんなことどーでもいいだろうが!なんでお前はいつも人の事ばっかなんだよ!!」






悲痛に叫ぶ銀時を、私は黙って見ていた






「お前は、俺には、何も話しちゃくれねぇんだな」






その言葉に、私の身体は強ばった






「私、秘密主義者なので」






バレないように、必死で取り繕う






「…はっ、ふざけんなよテメェ…」





「そろそろ行くね、ごめん、療養中に邪魔して」





私は淡々とそう言って、部屋から出ていく





と、数歩歩いたところで足を止める






「銀時」






ゆっくり振り返る





「全部終わったら、ちゃんと話すから」






そう残して、万事屋を後にした





居間には、一粒の水溜まりが出来ていた

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作者名:ハル | 作成日時:2019年8月16日 21時

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