02.衰えた《現実》 ページ2
「……きて……起きて！言葉猫さん！」
『んぬ……？』
誰かに身体を揺らされ、平和な夢の世界から引っ張り出された僕はムクリと顔を上げる。
時計を見ればお昼の時間。教室中はもうガヤガヤと騒音を響かせていて、クラスメイト達は楽しそうにお喋りをしている。
あぁ、それにしても目に直撃する太陽光が何ともウザったらしい。僕の席の周りだけカーテンをつけてくれないだろうか、黒色の。それから僕の睡眠を妨害したのは何処のどいつだよ。昨日、徹夜でゲームやってたから眠いんだよ…全く…夜型人間に優しくない世の中だ。と、内心でブツブツと愚痴を繰り広げながら、声のした方へ顔を向ける。
「あぁ、やっと起きたァ！言葉猫さん、日直の仕事でさっき先生に仕事頼まれてたよ！資料室から次の総合の授業で使う資料を取ってきてだって！」
茶髪ボブに丸眼鏡、右頬に花が描かれている、可愛らしい雰囲気を放つ女の子。右頬の花は多分、個性かなんかだろう。
てか誰だ、この子。
これが彼女を見た時の初めの感想だ。さっき彼女の容姿からの印象は第二感想的なものであって、正直な話、未だにクラスメイトの顔と名前が一致していない状態の僕にとっては初対面でしかない目の前の女の子。ゴメンね。てか、この子か、僕の安眠を邪魔したやつは。
『…あれ？今日って私、日直だっけ？』
「うん、そうだよ！」
そう、ニコッりと純粋な笑みを浮かべるその子。確かさっきの授業は、四時限目だったような気がする。あぁ、時間的にそうか。
僕が目線を黒板に移すと、それはまぁ、綺麗にチョークが消されている。おやまぁ、一から四限目まで黒板を消してくれた子、ありがとぉね。お陰で僕はゆっくりと現実逃避を堪能出来たよ。
『そっか。ありがとね、教えてくれて。助かったよ』
適当に見繕った笑顔を張り付けて、適当に並べた言葉を彼女に渡した。そしてダルい身体を渋々起こし、席から立ち上がる。君の名前は知らないけど、授業中寝るような不良の僕に話し掛けるなんて、君は良い子だねぇ。後期の委員長にでもなりたいのかな。なんて、心の中だけで嫌味を言ってみる。口には出来ないチキンなんでね、僕。
『さてと…資料室って何処だっけなぁ…』
騒がしい教室の音を封じ込めるように、ガタンと少し勢いよく扉を閉める。まぁ、この音にクラスの殆どが気にもとめてないと思うがね。
取り敢えず、昼放課が終わるまでに資料室を見つけなければ。あんまり、校内を見回った事がない自分には迷路同然のこの学校。芸術とか移動教室は面倒だからサボってる僕だからね、仕方が無いさ。
「あ…A」
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う - やばい好き(←応援してます！更新出来れば頑張ってください！気になる(￣ ￣) (12月11日 21時) (
レス) @page5 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 最＆高です👍️ (2021年12月10日 16時) (レス) @page5 id: ff535d7292 (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - 作者さんのペースで更新頑張ってください！！ 続きが気になる…………。 (2021年11月5日 0時) (レス) id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
ｱｻﾋｲｲｲｲｲｲｽｳｳﾊﾟｱｱｱﾄﾞｳｳﾗｱｱｱｱｲ - 最高 (2020年12月14日 23時) (レス) id: 9ee51932ee (このIDを非表示/違反報告)
肉 - 初めから読んで追いつきました体調に気おつけてください更新頑張ってください|ωΦ*)ｺｿｰﾘ･･･ (2020年9月4日 21時) (レス) id: 33a07a44b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オー笛 | 作成日時：2019年4月30日 9時
