青春花道【銀魂3z】

感情ごっこ ページ27

土方視点




「どうぞ」

「……どうも」

「いやぁ、今年土方君と同じクラスになったって聞いた時は驚いたよ」

「俺は荻がこの学校にいた事に驚きましたよ」

「そうかい。それでさ……Aの反応、どうだったの？」

「別に……普通でした」




本当に、普通の顔だった。

でも中学の時と比べ、少し変わった。


何故なのか。俺にはそれが分からない。俺が原因なのかもしれない。

中学の頃、アイツは確かにクールだったが今程じゃなかった。むしろ良く笑う方だったのに。

どうしてか、今はあまり笑わない。




「Aさ、高校になってから……ラブレターを沢山貰うようになってたんだ。土方君はZ組だから噂が来なかったのかもしれねぇけど。俺のAにラブレターだなんて……俺何通も燃やしたよ」

「……そうっすか」




……なんでだろ。

ずっと前に別れたのに、なんで胸が痛いのだろう。


この感情、俺は知ってる。だがダメだ、もう一度アイツを傷つけるかもしれない。




「ねぇ、今土方君胸が痛かったんじゃねぇの？」

「……別に」

「土方君、自分の心には素直になっておいた方が良いよ。この前Aにも言ったんだけどね」

「荻にも？」

「今年度になってから、Aってばちょっと上の空でさぁ、俺に構ってくれない」

「今年度から……」




今年度から……か。

Z組に慣れずにストレスが溜まったとか。やっぱりまだ俺を許してねぇとか。


……そう言えば、お兄さんに聞きたい事があるんだった。




「……荻は、前に進みましたか」

「……全く進んでないよ。土方君にはまだチャンスがある」

「でも、俺にはそんな資格」

「ねぇ、俺はさ、土方君なら許せるんだよ。Aもあの時はかなり落ち込んでたけど……もしかしたら、まだ待ってるかもしれない」




待ってるって、何を待ってるんだ。まさか、俺を待ってるとでも言いたいのか。

……そんなわけない。俺はあの時、アイツを傷つけた。アイツは泣いてた。もう傷つけたくないんだよ。

アイツを守りたいんだ。だから別れた。




「俺はまた戻る事を祈ってるよ」

「……お兄さんもう社会人ですよね。職業は……」

「俺？警察ー」

「警察！？」

「今日は非番なんだよ。ところで最近のAさー……」




こんな見た目ヤンキーが警察だなんて……なんで試験合格したのか分からない。

あ、申告書に地毛って書いたらいいのか。


そして、お兄さんの妹自慢が始まったのだった。



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