第16話「威圧の行き先」 ページ19
その言葉を皮切りに、キルラスは身に纏っていた炎で竜を形成し、
一気にAに向けて放つ。
彼女が迎え打とうと身構えた、その瞬間―
「水銀魔法 銀の盾」
「んあ？」
銀色の壁が炎攻撃を防いだ。
「貴様のような異邦人に戦いをさせるわけがないだろう。
わかったら早急にこの場から去れ」
銀の槍を展開したノゼルがAの前に立つ。その額には、少し皺が刻まれていた。その声色は恐ろしいほど落ち着いていた。
戦場に緊張が走る。生きるか死ぬかの瀬戸際でのものでないし、むしろ命は保証される。もっと複雑かつ単純な威圧。
だが思い出してほしい。
爆弾投下常習犯は、ユリウスだけではないことを――――
「うるせぇんだよ前髪野郎。異邦人だとか勝手に決めつけやがって。つか異邦人でもお前らより強かったらどうなんの？跪いて服従でもしてくれるの？絶対しないよな？な？な？な？あと俺を使わないのはユリウスに反抗するってことだからそれもわかってから言えよな前髪」
銀翼の大鷲団の団員が…否、クローバー王国民のほとんどが聞いたら卒倒するであろう言葉を、その人間は少しも表情筋を動かさずに淡々と吐いた。
ノゼルは、流石にここまで無礼な奴には、流石に、会ったことがなかった。思考が停止し、A以上に表情筋がぴくりとも動かなかった。
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ノゼル兄様との絡み多いな…
でも立場的に1番やりやすいのノゼル兄様なんだよな…
この戦い終わったらある程度シリアスから脱するので…
〈次回(というかこれからの)予告〉
クローバー王国の団長とAの前に立ちはだかるダイヤモンドの大軍
キルラスとの戦いは？
クローバー王国の運命は？
その戦場に歌われる歌は
絶望か はたまた 希望か
まだ誰も知らない物語は
静かに紡がれてゆく
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作者名：ミヤビ | 作成日時：2018年8月28日 20時
