天使の幌歌 (ページ10)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:38,209 hit

第7話「呼んでもないのにぽぽぽぽーん(殴)」ページ10

「あれ？ノゼル来てたの？あ、マルクスくんにA！
どうだい？僕を探して仲良くなれたかい？」

そう言ってどこからともなく現れた魔法帝。瞬時にマルクスさんのお説教が始まったのは言うまでもない。また貴方は性懲りもなく、とか、何回言えばいいんですか、とか。
ユリウスがAとはどうだい？と急に問うと、マルクスはより一層怒りだした。

「話すくらいできるので要らないことをしないでくださいというかそれを理由に出たかっただけでしょういい加減にしてください魔法帝ともあろう御方がそんなのだから書類が日に日に溜まっていくんですよちょっと聞いてます？」

ノンブレスでそう言いきる。もう言い慣れているのか全く息が辛そうじゃない。対する魔法帝は正座て。もっと威厳とかなんかこう…。苦労人なんですね、マルクスさん。

ノゼルって人は魔法帝が来たからか鷹を消した。そして俺のほうをじっとみてくる。怒りを通り越して殺気さえ感じるね、うん。その顔こそみないようにしているが、今すぐにこの場から離れたかった。魔は相変わらず冷たく猛っているし、氣も膨れ上がっている。…なんか前髪動いてね？と思ったのは心の奥底に南京錠で閉じ込めておこう。なんか触れちゃいけない気がする。いや確かに最初みたときとかも「前髪にアイデンティティー集めすぎだろ」とか思ったけれども、言った瞬間何かが終わる気がする。何が終わるってなんか息の根的な。だからわざと流しておいたのだまだ死にたくない。

ノゼルの一連の行動の理由の見当はついていた。

俺が、”異邦人”と呼ばれているからだ。