第13話「闇魔法」 ページ16
「うわぁ、ひどいなこれは」
すでに村に住む人の半分は殺されている…な。まぁ下民だし、魔も生まれつきそこまで強くないんだろうし。
ここいらの防衛をしていた魔導士は、まぁ、うん、御愁傷様です。結構相手強いんだな。久しぶりに全力出せる相手とかいないかな〜。
…あ、やべ。魔導書の存在忘れてた←
ユリウスに使うよう言われてたんだったな。まぁ使ったことないけど。暴発したらまぁ…うん。その時の俺任せた。
えっと、あの技は………どこだよ。
Aは普通の本を読むように魔導書を持ち、ぱら、ぱら、とページを繰る。戦闘のときによく使う技がみつからないのだ。…ん？もちろん戦地のど真ん中だけど？だってなんか相手が魔法騎士団団長がたくさん来たってだけで結構怯んでるんだよな。特にザコいやつ。つかほんとにみつからねぇ…。
「！おいっ！！」
「？」
急にヤクザっぽい人の声が聞こえた。その方向へ振り向くと二人の敵国の魔導士が、それぞれ炎と雷の魔を手にこめて振りかぶっていた。15mほどの距離にいる…うん、その人が闇を放つ魔を感じた。でもまぁ、
「間に合わないな」
「？！？！」
敵二人の魔法に、じゃない。俺の魔法に、だ。
一瞬だけ多めの魔力を放出して、相手が少し怯んだ隙に、みえないくらいに薄い闇を展開し、「みえない」空間魔法に二人を誘う。「みえない」から気づかずにそこに飛び込んでしまう。入ってしまえばあとは袋小路。もう自力でそこから出ることは出来ない。
だがそれはAのみにわかること。Aを攻撃しようとした二人は、いつの間にか自分が真っ暗な世界にいることに気づいて慌てふためき、それを遠くからみていた者たちは、いきなり消えた影に驚き、戦っていることすらも忘れ、Aを呆然とみている者も少なくない。クローバー王国の団長達も然り。
そんな注目を集めている彼女は呑気に口笛なんぞを吹きながらまたページをめくり始める。ぱらぱらとページを繰る音が遠くにいる者達にも聞こえるほどに静かな戦場は、なんとも異様な光景だった。
彼女はやっとお目当ての魔法をみつけれたようで、満足そうに息を吐いた。
「闇魔法 闇纏い」
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文字数の関係でここで切ります。中途半端ですみません。
そして気づいたらお気に入り登録者数が35人…感謝しかありませぬ。
これからも何卒よろしくお願いします！
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作者名：ミヤビ | 作成日時：2018年8月28日 20時
