pair days -episode 4-【番外編】 (ページ30)

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隙を見せるのは俺の前だけ1 ページ30

　
side fkr
2021/12上旬
※vol.7『決意』と『尋問』の間の話。

デートした帰りの電車、１人分座れるスペースを見つけた。拳くんが座りなよって言う彼女に、駄目と言って少々強引に座席まで誘導して座らせた。

申し訳無さそうにしながら座ってくれたけど、座ったときには息をついてホッとした様子。良かった、これで少しは休めるといいなぁ。

少々混み合う車内だし、彼女は座って俺は前に立っている訳だから話すのも難しい、目立って藤宮優とふくらPだと周囲に気づかれても色々面倒である。お互いに話さずに彼女を観察する。

やっぱり今日の脱出ゲームに付き合わせちゃったのは不味かったかも、直近なかなか休めない中での執筆と芸能活動で疲労も溜まってそうだった。それを心配したところで、私は大丈夫と笑って言うから、こうやって強引にでも座らせておかないと、しんどいの我慢しちゃうAだからなぁ。

１０分くらい経った頃だろうか、Aがウトウト眠そうにしている、きっと座って一息ついたせいだろう。頭がカクッと前に倒れそうになる、彼女は慌てて頭を起こして俺を見る。にっこり微笑んだら恥ずかしそうに目を伏せた。それが可愛すぎてニヤけそうになるのを堪えた。

そう言えば付き合い始める直前にオフィスのソファでAが眠っていたことがあった、好きな子の寝顔に慌てちゃったのを思い出す。あのとき彼女の寝顔を誰にも見せたくなかった、今ももちろんそう思っている。

でもデートで疲れさせちゃったし、こうしてそばに俺がいるから寝てくれてもいいなって思ってしまうのは彼女の愛をしっかり掴んでいるからなのかな、まあ俺のいないところでは寝て欲しくないのは大前提であるけど。

そのまま観察していると、下を向いて頬を軽くぺちっと叩いている、眠気を覚まそうとしているのかも？でもそんな可愛い努力も虚しく、電車の揺れに心地良くなって、時折まぶたが閉じそうになっては開いてを繰り返している。寝ないように頑張っているけどやっぱり眠気には勝てないようでウトウトしだした。

本当に俺の彼女可愛いな、だけど今度のデートはゆっくりお家で過ごそうと決めた。なんならずっとベッドで過ごしたって良いよね、まあそれが休めるかって聞かれると疑問ではある。Aにそんなこと言ったら頬を染めて、ずっとベッドはダメって言うんだろうな〜想像しても可愛い。
　
　
　