3 ページ10
『準備っていつの間に!?』
「クイズ出す前〜」
あ、そうか仕事してる間にお風呂の準備してたのか。拳くんって用意周到だよね。クスッと笑って早く連れて行ってと言えばチュっとキスを落とされた。
「可愛い奥さんに誘われたら行くしかないよね!」
私が誘うって言うより拳くんが最初からお風呂に行くこと決めてたんじゃない。でもそんな細かいことは良いか、彼と過ごす甘い時間を大切に過ごしたい。そうやってずっと仲良く出来たら、いい夫婦って言われるようになればいいなと願ってる。
___________
2022/11/23
「問題っ、今日はなんの日でしょうか?」
祝日の朝クイズが始まる。なんだか昨日と同じことが繰り返されてる?今日って普通に勤労感謝の日だけど…敢えてこうやってクイズに出すということはその答えではないのだろうな?んーっと考える、11月23日か、祥が主張しそうな日だなと思った。
『えっといい兄さんの日?』
「いや俺は藤枝じゃないから…それも合ってはいるけど俺の想定解ではありません。Aざんね〜ん!」
『祥じゃないのは分かってるよ?え、でも他に思いつかなくて、拳くん正解はなに?』
「正解はいい夫妻の日でした〜」
『いいふさい?』
なるほど23でふさいと読ませるのか。いい夫婦の日の翌日がいい夫妻の日なんて知らなかった。
『初めて知った、そんな記念日あったんだね』
「なんと2020年に制定されたばかりの記念日でした〜」
『へぇ、一昨年に制定されたの?』
「そうだよ、だから俺たちいい夫妻になれるように仲良くすべきって思わない?」
にっこりとしてるけど圧を感じる笑顔でグイッと目の前まで迫られる。キスされそうな距離にドキッとする。やっぱり昨日と同じ道を辿る気がする。こんなまわりくどい感じにしなくても普通にイチャイチャしようって言ってくれた方がいい気がするのは気のせいかな?
『今日も一緒にお風呂入るの?まだ朝なんだけど…』
「お風呂に入るのは帰ってきてからね」
『ん、どこか行くってこと?』
「これからデートに行きま〜す」
『あれ今日は家でのんびりって言ってたのに?』
「Aは俺とデートしたくないの?」
『そんなことないよっデートしたい。どこに行くの?』
「上野に行かない?」
上野と言われてピンと来た、国立科学博物館?と聞くと拳くんが頷いている。伊沢さんが特別展“毒”のオフィシャルサポーターを務めている。そしてQuizKnockからの挑戦状として会場を周りながら毒に関するクイズに挑戦できる展覧会となっている。
69人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:佐伯 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年11月9日 1時