pair days -episode 2-【番外編】 (ページ9)

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ニヤニヤしている拳くん。絶対に私に言わせようとしている。彼の手が伸びてきて長く綺麗な指先でわざとらしく唇をなぞられて、ここだけで足りるの？なんて艶っぽく笑う。私を煽って翻弄してくる。身体中が彼を欲している。

『もっと、したいです。そ、その先もお願いします』

「ふふっAがおねだりしてくれたからその先もしようか？」

『拳くんベッド行こう？』

「ん、行かない」

えっ、と声に出た。私のこと煽ってたのにどういうつもりだろうか？つい不満気な口調になって言葉が飛び出した。

『責任取るって言ったのに……本当にして、くれないの？』

「あぁもうっAが可愛すぎる。もちろんするよ、だけどベッド行かないって言ったのは理由があるの」

一体どんな理由なのだろうか？思わず首を傾げると彼が話し出す。

「まずいい夫婦になるべく仲良くするためには一緒にお風呂に入らないといけないんだよ」

『へっお風呂？』

急に力説しだす彼。つまりは一緒にお風呂に入ってからイチャイチャすべきだと熱く主張している。なんだろう、プレゼンかな？その一生懸命さになんだか拳くんらしいなと思えて笑っちゃう。

「もう何で笑うの〜」

『だってさっきまであんなに色っぽく私のこと煽ってたのに急にお風呂のプレゼンが始まったから可笑しいんだもん』

「俺は最初のクイズ出したときから一緒にお風呂に入るって決めてたの〜」

『そう言えばなんの日でしょうって始まったんだった、拳くんでも計画通りにいかないことあるんだね』

「キスしたらAがめちゃくちゃ可愛かったから煽りたくなってお風呂から逸れちゃったんだよね。だから強引に戻してみた。ほらどっちにしたってベッドでイチャイチャは確定だから」

『確定なんだ？』

「え、確定じゃない要素ある？」

本気でそんなことはあり得ないって顔して私を見る。そりゃ拳くんとイチャイチャ出来るのは嬉しいから確定と言えばそうなんだけどズバリそう言っちゃうのは恥ずかしいよね？

『ん、恥ずかしいけど確定でいいです』

ほらねと得意気な表情を見せてくれる。恥ずかしさを誤魔化すためにお風呂の準備してくるねとバスルームへ行こうとすると彼に手を掴まれた。

「準備なら俺がもうしたから、このまま２人でお風呂〜さあA行くよ」

ガクンと視界がひっくり返る。彼に抱き上げられたことに気づく。落ちないように慌てて彼にしがみついた。
　
　
　