pair days -vol.3-

海-水鉄砲- 1 ページ37

　
　
　
『拳くんは海入らないの？』

「Aが入るなら一緒に入るよ」

『んー海に入ったらまた日焼け止め塗り直した方がいいよね、でもまた塗ってもらうのは恥ずかしいな』


拳くんに塗ってもらった感覚を思い出す。背中なんて普段隠しているところに触れてもらうのは緊張するよね。それに凄く擽ったくて仕方がなかった。だからこそ祥に塗って欲しかったのに断られた。


「えっ…うん、でも海に入らなくても汗で落ちちゃったりするからね」

『そ、そうだよね…それならまたあとで、塗ってくれる？』

「もちろんだよ！Aの白い肌は俺が守るからね」


確かに日焼け止めはこまめに塗り直さなくちゃ意味がないんだよね。恥ずかしいけど塗ってもらうしかないのかなとお願いしたらなんだか恥ずかしくなるようなこと言われた。


『で、でも拳くんだってお肌白いでしょ、ねえどういうケアしてるの？』

「引きこもってたら自ずと？」

『それ全然参考にならないよ』

「まあ昔からそんなに日焼けしないタイプだったってだけだよ」

羨ましすぎる。実は拳くんって女子の敵？スラッとしてるし色白だし女の子が欲しいもの持っているよね。

『でも日焼けしないタイプでも日焼け止めは塗った方がいいんだよ？私も拳くんに塗ってあげようか？』

「ラッシュガード着てるから大丈夫だよ〜」

『それならいいけど…それじゃあっちに行ってみる？』


祥や山本くんが遊んでる方向を指差した。祥が持ってきた水鉄砲で遊んでる。行こうか、と歩き出す彼の隣を歩く。今日は家族連れが多いみたいだし手を繋いでみてもいいかな？そっと彼の手を取ると一瞬ビックリしてたけどにっこり笑って握り返してくれた。


「Aから手を繋いでくれるのは嬉しいな」

『今日は家族連れが多いから平気かなって』

「別に俺はいつでも繋いでいいんだよ」

『そ、それはファンの人に見られたら大変でしょ』
　
　
　

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