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SIDE: K




隠れていた場所から 出乍、
横尾さんに 声を掛ける。



北山:「 にしても、
彼奴だったとは 思わなかったな…。」

横尾:「 吃驚したね(笑)」

北山:「 如何して こんな事…。」



彼が 置いていった物を 見乍、
疑問の言葉を 口にする。

あっ、手紙 持って行ってくれたんだ。

しっかし、彼とは、2回程しか 会った事も、
喋った事もないのに、
何で、こんな事 してくれるのか、
横尾さんを 見ると、
何故か 呆れた顔で、此方を見ていた。

えっ、何で?



横尾:「 みっちゃんは、
自分の事になると 超鈍感だよね…。」



溜息つきながら、
アノ子 可哀想って、ボソボソ、なんか言ってる。

なんか、面白くない。

横尾さんは、多分1回しか 会った事ないのに、
2回 会ってる俺より、彼奴の事 分かるんだ、
そう思ったら、モヤモヤした。

何だ、この気持ちは。



北山:「 あ、」



モヤモヤを飛ばす様に、
彼からの手紙を開くと、何時もと違う事に 気付いた。

ざっと目を通すだけじゃ、気付かない 端っこ。

其処に、小さく書かれた、“ F ”の イニシャル。

なんだこれ?

書かれているから、手紙のデザインでもないし、
かといって、
名前を書くには、端過ぎる其処。

一体、何を 伝えようとしてるんだろう。

まあ いっか。


コノ日を境に、
謎の贈り物の差出人 = 藤ヶ谷との、
奇妙な手紙のやりとりが 始まった。

---

SIDE: F




手紙の返事が来てから、毎日、
返事の手紙が 置いてある様になった。

其の中で、彼の下の名前が 宏光だと知った。

知れたのは それだけだけど、確実に
彼との距離は、縮まっていた。

お互いを、“ 北山営業課長さん ” “ Fさん ”と
手紙の中で、呼び合う様になった。

手紙の文章の量も、1、2行だったのが、
5、6行と、前より 増えた。


現実の世界では、1度だけ、
彼に お届け物を運ぶ仕事があっただけで、
他に接触はなかった。

其の時の 贈り物の中身も、チョコレートで、
結局、言い包められて、俺が 持ち帰った。

あの様子だと、
甘い物 苦手って、伝えてないな。


手紙の中とは 違い、
現実の彼は、相当意地悪だ。

___
_



先輩:「 藤ヶ谷、全然 飲んでねぇじゃん!」

太輔:「 いえ、充分でs、.. 」

先輩:「 充分な訳あるか!
ホラっ、遠慮しないで 飲め!」

太輔:「 えっ、あ、多過ぎd、.. 」

.

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作者名:せなやす。 | 作成日時:2016年3月4日 2時

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