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SIDE: F
それから毎日、
彼の事を考える様になった。
同性である事は 分かってるし、
“ 北山 ”という名前しか 知らないけど、
俺は、彼に 恋をした。
アノ日から、数日後。
偶然 届いた荷物を、
営業部に持っていく仕事があった。
積み上げられた 高い、重い荷物を
落とさない様に、慎重に運ぶ。
目的の階に着き、営業部の扉を開ける。
途端、鳴り響く電話音に、話し合う声、
皆さん、忙しそうに 動いていた。
受付とは違う場所に、戸惑い乍
宛先主の、営業課長さんの机を探す。
_ ドンッ
_ ガラガラッ
太輔:『 あっ、』
社員:『 チッ、邪魔だよ!』
太輔:『 すいません…。』
だけど、そう見つからないし、
小走りに 動く社員の方を 避けなきゃいけないしで、
中々 届けられない。
社員の方は、そんな鈍い俺に 嫌気がさしたのか、
故意に ぶつかってくる。
何回か 踏ん張って耐えたけど、
遂に、耐えきれなくて、転んでしまった。
バラ撒いてしまった 大切な荷物達を、
急いで 拾い集める。
ああ、もう、なんで
うまくいかないんだろう…。
集め乍、涙が 込み上げてくる。
こんな所で 泣いたら、格好悪い、
そう思うのに、心とは 関係なしに、涙は 溢れ出す。
太輔:『 ぅっ、ぅぅ、 .. 』
??:『 …はい、』
太輔:『 ぇ?』
??:『 擦ったら、赤くなっちゃうよ?』
ゴシゴシ、目元を 擦ってた手を掴まれ、離される。
其の儘 顔を上げると、
優しい顔をして、ハンカチを 差し出す男性。
太輔:『 あ、あの…、』
??:『 あっ、ごめんね。』
掴まれた手を 見てると、
気付いたのか、離してくれた。
差し出された ハンカチを 受け取り、
顔を 軽く拭いて、彼に 向き直る。
??:『 皆、契約取るのに 必死でさ、
悪気が あった訳じゃないんだ、ごめんね?』
太輔:『 い、いえ、
俺が 鈍いからいけないんです、すいません。』
??:『 うぅん、俺等が 悪いんだ。』
太輔:『 いや、俺がっ、』
??:『 そういや、こんなに 沢山の荷物、
なにか用があったんじゃないの?』
太輔:『 あっ、俺、
営業課長さんに、お届け物をっ、.. 』
??:『 あぁ、みっちゃん?』
太輔:『 みっちゃん?』
??:『 うん、営業課長、みっちゃんっていうの。』
太輔:『 っ、その方っ、
その方、何処にいらっしゃいますか?!』
??:『 え、っと、確か もうすぐ、.. 』
_ ガチャッ
社員:『 課長っ、アノ件なんですが!』
北山:『 ん?』
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作者名:せなやす。 | 作成日時:2016年3月4日 2時