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SIDE: K



横尾:「 吃驚はしたけど、
気持ち悪いとかは 全然 思わなかったよ。」

北山:「 え?」

横尾:「 何年一緒にいると思ってるの(笑)」

北山:「 横尾さん…。」



“ みっちゃんが 考えてる事なんて、
俺には、全部 お見通しだよ(笑)”なんていう、
横尾さんに、胸が熱くなる。


だって、そんな簡単な話じゃない。

世間一般では、男同士の恋愛は
認められていなく、受け入れて貰いにくい。


なのに、横尾さんは
“ 吃驚しただけ ”だと 言ってくれた。

それだけでも 嬉しかったのに、

“ 好きになるのに、性別なんて 関係ない。”

なんて事も 加えて 言ってくれた。


そんな優しい横尾さんに
更に、熱いものが 込み上げてくる。

涙が出てきそうで、思わず俯いた俺に、
横尾さんは、更に、嬉しい言葉をくれた。



横尾:「 何かあったら、何時でも 相談してね。」

北山:「 …有難う、横尾さん。」

横尾:「 みっちゃんは、
良い親友を 持ったにぇ、…ね。」

北山:「 …惜しかったね、横尾さん(笑)」

横尾:「 …うるしゃい。」



最後の最後には、
何時もの 横尾さんになっちゃったけど、
そんな横尾さんが、親友で 良かったって、
心の底から思った。

本当に有難う、横尾さん。


SIDE: F



太輔:「 〜♪ 」

先輩:「 …ご機嫌だな、藤ヶ谷(笑)」

太輔:「 えっ、顔に出てました!?」

先輩:「 ( …無意識かよ… ) 」



勤務中、ペアの先輩に 指摘された。

如何やら 無意識に、
鼻歌を唄っていたみたい。

俺、昔から 顔に出にくいタイプで、
よく、クールだねって 言われるのに、
そんなに今、分かりやすい顔してたかな…。

でも、鼻歌を唄わずにはいられない位、
俺は今、舞い上がっていた。




それは、今朝の事…。

彼の机に、何時も通り、手紙等を置いて、
これまた、何時も通り、彼からの手紙を受け取る。

彼からは、何時も 手紙だけだったけど、
俺は、それだけで満足していた。


だけど、今日は違った。

彼からの手紙を持ち上げた途端、
何かが、ヒラっと、俺の足元 辺りに落ちた。

拾い上げると、何かの御守りだった。

それを 手にしたまま、手紙を開く。


“ 今日も 有難う。

此間の御守りの事、ごめん。

その代わりといっちゃ、なんだけど、
恋愛成就の御守り、入れて 置きます。

俺が毎年 年明けに行く 神社の御守りです。

毎日、Fさんに 貰ってばかりなので、
今日は 俺からも。

良かったら、貰って下さい。 ”

.

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作者名:せなやす。 | 作成日時:2016年3月4日 2時

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