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SIDE: K




『 だから、俺が答え言うのは違うと思う。』

『 よく考えてみて?』

そう言い残し、
横尾さんは 持場に 帰っていった。


彼奴は、何を伝えたかった?


SIDE: F




太輔:「 あっ!!」

先輩:「 どうした?」

太輔:「 いえ…。」

先輩:「?
…何かあったら言えよ?」

太輔:「 有難うございます…。」



やってしまった…。

昼休憩、お弁当を 取り出そうと
自分の鞄を見ると、
そこには 彼に渡すはずだった御守りがあった。


連休明けの今日、恥ずかしながら、
俺は 寝坊して、1本遅い電車に乗った。

出勤が早い彼は、
俺の数分後には もう出勤してくるから、
1本遅い電車の今日は、彼に渡せないかと思った。

運良く、彼は まだ出勤してないみたいで、
無事に置けたけど、
急いでた為か、間違ってしまった様だ。

俺の手の中にある、健康祈願の御守り。

本当は、コッチを渡す予定で、
アッチは、俺の為の御守りだった。

恋愛成就…、
絶対変に思ったに違いない。

どうしよう…。

兎に角、明日、彼に手紙で伝えよう。


SIDE: K




結局答えが見つからないまま 迎えた、翌日。



北山:「 え!?」



日課になった手紙を開くと、
その内容に、昨日同様 吃驚した。

“ おはようございます。
申し訳ありませんが、
昨日の御守り、返して 頂けませんか?
本当は、コッチの御守りだったんです。”

手紙の傍に置かれた封筒を 開けると、
中には、健康祈願の御守り。

想像通りの御守りに、少し笑ってしまった。


やっぱり
ただ間違っただけだったんだな。

アノ難題は、
横尾さんが 考え過ぎなだけで、
何かを伝えたいとか、一切 無かったんだ。

…。

…なんだろう、モヤモヤする。

俺に 恋愛成就を願ってない事が 分かって、
横尾さんからの難問を解かなくていいと分かって、
安心した筈なのに、
何だか、残念な気持ちになる。

彼奴が 俺に、そこ迄 興味ないって分かったら
何だか、悲しくなった。

何だろう、この気持ち。



横尾:「 おはよう、みっちゃん。」

北山:「 おはよう…。」

横尾:「?
胸抑えて、何処か具合悪いの?」

北山:「 何か、変なんだ…。」

横尾:「 えっ、大丈夫なの?」

北山:「 … 」



胸に手を当て、考えてると、
出勤した 横尾さんに、声を掛けられた。

唯一、事を知ってる 横尾さんに、
今の心境を、素直に話す。

すると、話し終えた途端、
ニヤニヤしだす 横尾さん。



北山:「 …何。」

.

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作者名:せなやす。 | 作成日時:2016年3月4日 2時

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