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SIDE: K
北山:「 …今日もか、」
まったく、懲りないなと、
半ば 呆れながら
ソレを手に取り、鞄に仕舞う。
最早 習慣化され始めた、毎朝のソレ。
ソレとは、何か。
説明するには、数週間前に 遡る。
それが 始まったのは、突然だった。
朝、何時も通り 出勤すると
机の上に、手紙と ノド飴が 置かれていた。
手紙には、
“ 風邪に気を付けてください ”の文字。
筆跡から見て、男だと思った。
その前日、
『 喉が 少し痛む 』と、同僚に 話していた俺は
同僚のひとりである、横尾さんが
親切に 置いてくれたのだと思っていた。
ところが、昼前、横尾さんを尋ねると
『 置いてないよ 』と 言われた。
他の同僚にもあたったが、皆違かった。
それはそれで、傷付いたけど、
それよりも、俺は
ソレ等をくれた人が 誰なのか、気になった。
結局 分からず、次の日。
出勤すると、
“ 今日も 頑張ってください ” の手紙と、
俺の 好きなコーヒーが 置かれてた。
案の定、皆違かった。
その次の日も、その次の日も、
なにかしらと 手紙のセットが、置かれた。
相変わらず、差出人は 不明。
繰り返し置かれるソレに
周りの同僚は、
ストーカーではないかと、心配した。
けれども 俺には
根拠はないけど、ストーカーではない気がした。
男なのに ストーカーとかって、プライドも
勿論あるけど、
直感的に、違うと思った。
毎日されてるけど
何故か、恐怖心はなかったから。
愛があるっていうか、
上手く言えないけど、
決して 不快などとは 思わなかった。
そして、いまに至る。
もう何度目になるのかすら、分からない。
けれど、今日も 手紙には、
“ 寒くなってきたので、風邪に お気を付けて ”と、
温かい文字が 並んでいた。
横尾:「 誰なんだろうね、ソレ。」
昼休憩。
何時も通り 食堂で
同僚の横尾さんと、飯を食う。
北山:「 ひぃらない、」
横尾:「 心当たりないんだもんね?」
北山:「 ふん、」
横尾:「 …みっちゃん、俺は 心配してるんだからね?」
北山:「 ありひゃと、」
横尾:「 …みっちゃん。」
北山:「 … 」
_ モグモグ.. 、ゴクンッ
北山:「 わかってるってば。」
横尾:「 その割には、危機感ないけど。」
北山:「 ストーカーじゃないから、大丈夫だよ。」
横尾:「 そんなの分からないでしょ、
相手、分かってないんだから。」
北山:「 じゃあ、どうしたらいいのよ?」
横尾:「 考えたんだけどさ、…張り込まない?」
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作者名:せなやす。 | 作成日時:2016年3月4日 2時