夜の散歩 ページ11
Aside
『……………散歩でも行こうかしら』
本を読んでいたがいっこうに眠くなる気配がない。
仕方なく杖を握り外へ出た。
当然ながら外には顔のない人形がいた。
顔のない人形は私を部屋の中に戻そうと此方に向かってきた。
『“寝れないから少し散歩に行くだけよ。貴方は少し休んでいなさい”』
普段はどんなに話しても頷くことの無い人形がコクンッ、と頷いた。
人形の傍に椅子を作りそこに座らせる。
『“行ってくるわね”』
人形は手を振って見送ってくれた。
お披露目で使われる庭園。
エドワードの“生き人形”が昔作っていた。
『(あの子の名前なんと言ったかしら)』
そこには沢山の仕掛けがある。
確か、1週間後のお披露目でケイト、ジョン、パトリック、ルイーズ、シャーリーがそれぞれ隠されるらしい。
5人が隠される予定の場所をゆっくりと回る。
『ケイトにだけ殺意が凄いわね』
ケイトを隠す予定の場所は沢山の棘が生い茂る上にある檻の中。
それも煤が溜まってしまうと鎖が外れていく仕組みになっているらしい。
一通り見終えて少し疲れ、杖を振り椅子を出す。
『魔術師なんて楽じゃないわよ』
月を見ながら呟く。
ふと杖を見ると月の光に照らされて美しく光っていた。
『相変わらず美しいわね。私が持つと穢れてしまいそうだわ』
夜空を見ると少しではあったが雲がでてきた。
『あら、雨が降りそうね。それに……』
懐に入れていた時計を見ると約1時間が経っていた。
『そろそろ部屋に戻ろうかしらね』
杖を振りって椅子を無くし同時に部屋にと戻った。
『これなら寝られそうだわ』
私はそこで意識を手放した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 159人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
糠漬け - めちゃめちゃ面白いです…！更新頑張ってください！応援してます！！！ (2021年5月18日 12時) (
レス) id: d686defb54 (このIDを非表示/違反報告)
マイス - とてもおもしろいです！！ (2021年5月17日 22時) (レス) id: b2d731f687 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エリス | 作成日時：2021年4月26日 20時
