【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ２【愛され】

▽喧嘩の話。 ページ39

ぷくー…っと頬をふくらませるA。


帰りのタクシーの中。

梶とAは、｢行ける！｣｢だめ。｣｢いーけーるー！｣｢だーめ。｣の言い合いをしていた。

ずっと言い続けるうちに梶が相手にしてくれなくなったので、話しかけるのをやめる。
ちょっと気まずい。

Aは、一度こうだと言い始めたら聞く耳を持たない。
それはよく分かっている。

だからこそ、止めなきゃならない。
これ以上無理をさせることを覚えさせてはいけない。


Aの自宅に着くと、Aは無言でお金だけ置いてタクシーから出ていってしまった。

相当怒っている証拠だ。

律儀に｢ありがとうございました。｣とお礼はきちんと伝えてきたが…。

ﾋﾟｯ…と神谷の連絡先を押し、電話をかける。



[あ…もしもし？]

神[もしもし、梶くん？Aは？]

[それが、全治三週間の骨折、本人はそれを聞かずに出ようとしてるので止めたら、怒って家帰っちゃいました…。]

江[え、骨折？マジで？]

[はい。]

鈴[あいつ変なとこ頑固だかんな…。]

小[どっちにしろAちゃんライブ出れそうにないね…。]

[二週間前ですけど…発表しますか？Aが居ないこと。]

神[いや当日発表にしよう。変に騒がれたりしたら、それこそもっと大変になる。]



神谷のその意見に同意して、電話を切った。
多分他の詳しいことはみんなが決めてくれるだろう。

Aには悪いが、今回はこうするしかない。

あくまでAのためなのだ。






釈然しない心模様。


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