【男性声優】さ い だ ー が ー る ! ! ２【愛され】

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江口にタクシーの中へと下ろしてもらう。
さながら王子様のようだ。

｢ありがとうございます。｣とお礼を言って、足を気にしながらも座り直した。

隣には梶が乗り、前の助手席にマネージャーが乗り込む。
マネージャーが運転手に行先の病院を告げると、車は颯爽に走り出す。

ぼぉっ…と窓の外を見ていると、梶が話しかけてきた。



｢ねぇA。｣

｢なんでしょ。｣

｢もう絶対こんな事しないでね。俺らもスゲェ焦ったんだから。｣

｢分かってますよ。耳タコです。｣

｢ていうか、なんであの時駆け出したの？スタッフさんに言うとか…他にあったじゃん。｣

｢…学生時代、似たような思いをしましてね。｣

｢似たような思い？｣

｢いやぁほら、若気の至りに尽くせりって奴ですよ。ちょっとした恋の駆け引きです。
まぁ私の場合、あんなに可愛いもんじゃなかったんですけど。｣

｢はい…？｣



意味がわからず、頭にクエッションマークを浮かべる。

そう、ちょっとした恋の駆け引きなのだ。
あれはもう忘れるべき事案で、若い時の失敗。

あの女性を見ていると、やけに昔のことを思い出して気まずくなる。


梶が気になって更に聞こうと思ったその時、タクシーは病院に着いた。

はっと息を飲んで、言いかけた言葉を飲み込む。

Aに肩を貸しながら、｢…今は、そんな事よりAの怪我の方が大事だもんな。｣と自分に言い聞かせる。









｢よいしょー…っと。ごめんなさい迷惑かけて。｣


梶｢大丈夫だって、ほら早く診てもらおう。｣




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▽3→←▽病院の話。

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