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諸々の金額が上乗せされ、早急に支払われた賞金、300億円の使い道についての話し合いはE組の校舎で行われた。

大金に目が眩んでなんだか少しおかしくなってしまう約数名には困った。平凡に生きていればまず目にする機会はないようなお金の山だから、その気持ちもまったくわからなくはないのだけれど。

「A…。あの、Aさん。マジで俺らが悪かったから。ちゃんと真面目に話し合うから。その目やめてくれないか?」

約数名のうちの1人。握りしめた札束を片岡さんに没収された前原くんの言葉だった。
彼から見た私が、どんな目でその様子を見守っていたように見えたのかは定かではないけれど…彼の心の持ちようなのではないかなとほんの少しだけ思う。


「達成したことが大切なのであって、大金を頼りに生きるようでは良い成長はできない。ころせんせーのアドバイスブックにも書いてあったでしょう?」
「ごめんなさい」

1度深呼吸をして、使い道についてみんなできちんと話そう、ということを先生の言葉も借りつつ伝えただけなのだけれど。食い気味に謝罪を入れてきたのは大金を目の前にしてなんだかよくわからなくなっていた悠馬くんだった。

「あの…。気持ち、わからなくはないし、別に怒っているわけではないのだけど…」

そんな風に謝られるとなんだかこちらが悪いことをした気分になる。



そんなこともあったけれど。話し合いが始まればこれまでみたいに、片岡さんと一緒にみんなの意見を聞きながらうまく取りまとめてくれる彼は、やっぱりとっても頼もしい。
たくさんの人から頼りにされている人だから。時々は、我を失うくらいに何か(主に金銭に関わることだけれど)に夢中になってくれるのが…それを、誰かに引っ張られ止められて、ほんの少し呆れられたり、心配されたりするような面もあるくらいが、ちょうどいいのかな。



「これから、やらないといけないことがたくさんあるね」

話がまとまってよかった。今後必要になる手続きについて考えると若干頭が痛くなるし、思うこともあるけれど。学費や、生活の助けになるような金額を頂けるのは、とってもありがたい。
みんなで決めた大きなお買い物…山の購入にはきっと、学生の身では手が届かないこと、大人の手助けが必要になってくることも、たくさんあるのだと思う。
そうなった時には、きっと嫌な顔なんてせずに手を貸してくれる…そう信じて、頼れるような相手がいることが…。こんなにも安心できること、なんだな…。

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nano*(プロフ) - チキン神様さん» チキン神様さま、ありがとうございます。お待たせいたしました!続編も楽しんでいただけるように頑張りますね。またよろしくお願いいたします (2022年7月11日 10時) (レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
チキン神様(プロフ) - ついに!ついにです!続編が公開されました!!nanoさんお疲れ様です〜! (2022年7月10日 21時) (レス) @page2 id: a44e6bddf2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nano* | 作成日時:2022年7月10日 21時

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