【暗殺教室】ばびっとらびっとしーくえる

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「えっと…」

前原くんが戸惑っている…『マジで意味わからん』の原因は、単語自体の意味や文法、活用や敬語の表現がわからないとかよりも、作品が生まれた時代の価値観や風習が現代とは違うから、というところが大きいような気がする。自分の常識とは違う価値観や、背景についてきちんと理解できていない相手と分かり合うことが難しいのは、古文でも、現代の社会でも、きっと同じ。
暗記面を完璧にしたいなら、きっと本人に適した覚え方(竹林くんなら、アニメソングの替え歌で覚える、みたいな)があると思うから、方法を一緒に考えるくらいはできるかもしれないけれど、私から教えることはあまりないと思う。文法についても、ほとんど理解できているのはきっと…ころせんせーの教えの賜物？
何故そう思ったのか、どうしてそのような行動をするのか、という背景をきちんと理解することができれば問題もかなり解けるようになるのではないかな。

だから、彼が悩んでいた問題を解説して…きっと、今読んでいるもの以外の文章を読み解く時にも無駄になることはないはずの知識を伝えてみた。

「私が解説することができるのは、これくらいかな？」
「相変わらずAの教え方はわかりやすいなぁ…。ありがと」
「ん…力になれたのなら、よかったよ。テスト、頑張ろうね？他には、なにか気になることとか、わからないところとか、ある？」
「んーいや、今は良いや。マジでサンキュー。助かった！…また頼らせてもらう！」

「割と頻繁に、思うことがあるんだけどさ。Aの頭の中って一体どうなってるんだ？」
「資料とか参考書とか見なくてもスラスラ説明できちゃうのがすごいわよね」
「まあ、いくら国語が得意分野とは言え、って感じはするよなー」

また助けを求めるという宣言をした後、それにしても、と続ける。頭の中…？と思ったら、わかる、と片岡さんと磯貝くんがほんの少し苦笑いを浮かべる。

「みんなだって興味のあるものごとや好きなもののことは、きちんと理解しようとするでしょう？」

悠馬くんが貧困について調べたことから発展して地理が得意になったみたいに。前原くんなら…女の子のこととか、かな…？
興味を持ったこと、自分が知りたいと思ったことから身につけた知識は、そう簡単に消えたりしないものだと思う。古文なら『どうしてそう思うのだろう』という疑問や興味からその時代について調べる。

「私の知識も、それと同じだと思う」

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