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高校では、中学校で主要となっていた5教科が更に細かく区別されるから、試験科目数も中学の頃よりも増える。
当然そのぶん、勉強しておかなくてはいけないこと、覚えなくてはいけないことも増える。


この時期の浅野くん…と、五英傑と呼ばれていた人たちはなんというか。こういう表現をすることが適切なのかはわからないけれど、大人気。
去年、E組に成績で負けないようにと開かれたという勉強会も、こんな風に賑やかで活気のあるものだったのかな、とか。これだけたくさんの人たちに勉強を教えている余裕のある彼らは、やっぱりすごいなとか。どこか少し他人事のように思ってしまいながら教室を後にする。

テスト前は、学習参考書も豊富に揃っている学校の図書室も当然のように予約でいっぱいになってしまうから。私がそこに足を運ぶ頻度は減る。

今日の私のテスト対策の場所は、いつもの図書館。悠馬くんが、片岡さんと、前原くんも一緒に、と言っていたから、4人で勉強をすることになるかな。
大人数…でも、ないのかもしれないけれど。3人以上の人と一緒になってテスト対策をするのは、なんだか、ほんの少し懐かしい気がする。最後にそんな風にみんなと勉強をしたのは、去年の12月で。そこまで前の出来事というわけでもないのだけれど。


「A先生、ちょっと遅いぞ」
「遅れてしまったのは、ごめんなさい。それについては謝るけれど…私は一体いつから前原くんの先生になったの?」

図書館の奥のほうの席で待ってくれていたのは、『今から』と真顔の前原くんと、そんな彼に苦笑いを浮かべる悠馬くん、そして、久しぶり、と笑顔で声を掛けてくれる片岡さん。

「なので。ちょっと助けてください!」

片岡さんと挨拶を交わした後で、前原くんの話を聞いてみる。
とっても簡潔に伝えてくれた彼によると、『古文、マジで意味わからん』とのこと。こんな風に『教えて』と言われることは、今のクラスでは一切ない(…というか、これまでもE組の人たちや、わかばパークの子どもたちくらいからしか、何かを教えて欲しいなんて頼まれたことはほとんどない)。
前原くんくらい色々な人に馴染むことのできる人なら、他にも勉強を教えてくれる人はいると思う。その中から私を選んで頼ってくれたのなら、力になりたいもの。

「うん。いいよ」
「A。あんまり甘やかさなくていいのよ?」
「甘やかすつもりはないよ?教えるからには高得点を目指してもらわないと」
「…厳しさのベクトルが違うわね」

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nano*(プロフ) - チキン神様さん» チキン神様さま、ありがとうございます。お待たせいたしました!続編も楽しんでいただけるように頑張りますね。またよろしくお願いいたします (2022年7月11日 10時) (レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
チキン神様(プロフ) - ついに!ついにです!続編が公開されました!!nanoさんお疲れ様です〜! (2022年7月10日 21時) (レス) @page2 id: a44e6bddf2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nano* | 作成日時:2022年7月10日 21時

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