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「わ、っゆ、悠馬くん…？」
「…そうだな。俺もまた、2人で来たい」
彼が、ほんの少し目を丸くしたかと思うと、ふわ、とあたたかいものにすっぽりと包み込まれた。
何故だかわからないけれど抱きしめられている、という現状を把握しただけであたたかい、を通り越してあつくなってしまう。
「1回じゃ全部見て回るには足りないだろうし、Aが満足いくまで何回でも来なきゃな？」
「と、うん…そう、だね…？」
そう、かもしれない…きっと、この周囲のすべてを、満足いくまで見て回ろうと思ったら、もう1日時間があったとしても、まだ足りないかもしれないとは思うけれど、そうではなくて。悠馬くんはいつも、何の説明も、前置きもなくこういうことをするから、困る。こういう行為をするときは得てしてそういうものなのかもしれないけれど。
「ありがとう」
「…それは、私の台詞、だと思うのだけど」
私が、これから先も彼の隣で、たくさんのまだ知らなかったものを見つけていけたらいいと…彼と一緒ならきっと、もっとたくさんの素敵なものを見つけられるだろうと思っているのと同じように。悠馬くんも、少し先の未来でも私と、一緒にいたいと思ってくれていると考えていいのでしょう？
そういう、安定した関係を求められる誰か。きっと先の未来でも変わらず自分のそばにいてくれるのだろうと、思うことができてしまうような誰かが、いてくれること。もしかすると、人付き合いの上手なあなたにとっては、そう特別なことではないのかもしれないけれど。私には、本当にとっても嬉しいことなんだよ。
「悠馬くんの腕の中はあんしんする。ね？」
ずっと、ずっとむかしに。すきだったお父さんの腕の中と似ているけれど少し違う。この気持ちも、あなたとだから見つけられたもののひとつ、だと思う。
やっぱり、すこし恥ずかしいけれど、と付け加えながら伝えたら、すす、となんだか不自然に視線を逸らされた。
「…Aが、可愛くて困る」
「意味がわからないのだけど…？」
よくわからないことを言いながら更に引き寄せられて頭の上に彼の顎が軽く乗せられる。これ以上ないほど近いと思っていた距離が余計に近づいた。
「…帰りたくないな」
「また来ればいい、って。そう言ったのは悠馬くんでしょう？」
「ははは。そうだった」
そのままの体勢でぽつぽつと言葉を交わす。
少しの恥ずかしさが付いてくるのはまだ変わらないけれど、彼の体温が感じられるのは、安心するからすき、だな。
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nano*(プロフ) - チキン神様さん» チキン神様さま、ありがとうございます。お待たせいたしました！続編も楽しんでいただけるように頑張りますね。またよろしくお願いいたします (2022年7月11日 10時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
チキン神様(プロフ) - ついに！ついにです！続編が公開されました！！nanoさんお疲れ様です〜！ (2022年7月10日 21時) (レス) @page2 id: a44e6bddf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年7月10日 21時
