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降りた駅から少し歩いて、動物園が見えてきた。
「…人、すごく多いね？」
連休中だっていうことに加えて、天気もいいし…ライオンの子どもの一般公開も最近のことだからか。前に来た時の記憶よりも、確かに人が多い。
「そうだな。手、離しちゃダメだぞ〜？」
「…うん」
学校からの帰り道とか。2人で一緒に歩く時はそうするのが当たり前みたいに手を繋いでるからか、手を繋ぐことには流石に慣れてきたらしい。
動物園に行ける、ライオンの赤ちゃんに会えるってワクワクが大きすぎてそういうのが二の次になってるってことはない…はずだ。
でもまあ、手を繋ぐことにすら1ヶ月は猶予が欲しい、なんて言ってたAがなんていうか…成長したな、みたいな、ちょっと妙な気分になる。Aなりに、頑張ってくれてるんだろうな。それは多分、俺のためでもある。
俺が手を差し出すとか、手を繋ぐように促す行動を起こしてない時に自分から俺の手を取るのには、まだちょっと抵抗があるらしいけど。今も、俺の右手を離さないように握り返してくれる。俺のものに比べたら小さくて細くて…力加減を間違えたら折れそうな気がしてくる手が愛おしい。
「さて、Aはどこから見てみたい？」
「えっと…鳥がいるよ？」
「そうだな。よし、この近くから順番に見て回るか！」
「うん」
動物自体はもちろん、展示場所の造りや動物の説明まで。一つ一つしっかり見て回るから、俺も、動物を見て、動物を見るAも見て、満足した頃に次の場所に移動できる。
「…悠馬くん、見て。かわいい。まだちいさいね」
「そうだな。可愛い」
親ライオンの尻尾にじゃれてころころ転がるライオンの子どもを見て笑う。ライオンが可愛いのも認めるけど、それを見て笑ってたり、俺の手を軽く引いてみたりして、楽しそうにしてるAの方が可愛い。…なんて、こんなの、比べるようなもんでもないとは思うけど。
水族館に行った時も似たようなことを思ったけど、動物、好きなんだな。じっと動きを観察するみたいに見つめてみたり、可愛い、ってふにゃふにゃ笑ってみたり。そういう年相応のリアクションを見せるAは、ちょっと珍しい。
「…楽しい？」
「もちろん」
「そっか。よかった」
顔を覗き込んでくるAに笑顔で答える。隣にはAがいて、楽しそうに笑ってる。彼女と一緒に、思い出とか、経験をまた一つ積み重ねられる。
それが楽しくないなんて、そんなことありえないだろ？
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nano*(プロフ) - チキン神様さん» チキン神様さま、ありがとうございます。お待たせいたしました！続編も楽しんでいただけるように頑張りますね。またよろしくお願いいたします (2022年7月11日 10時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
チキン神様(プロフ) - ついに！ついにです！続編が公開されました！！nanoさんお疲れ様です〜！ (2022年7月10日 21時) (レス) @page2 id: a44e6bddf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年7月10日 21時
