検索窓
今日:36 hit、昨日:5 hit、合計:19,696 hit

29 ページ30

私はまわりにいる女の子たちのことはいいのか、ということが聞きたかったわけだけれど。彼が良いのなら、いい、のかな…?体育祭の借り物競争の時も、似たような気分になったことを思い出す。あの時よりも良くない状況のような気さえする。
ただ約束した場所で落ち合っただけ、のはずなのだけれど。通う学校も別々になった彼と彼女らが話をする貴重な時間を、後から来た私が奪う、というような恰好になってしまった。彼のファンの人たちの恨みを買ってしまうかもしれないできごとがまた起きてしまった。ほんの少しだけ、頭が痛い…かもしれない。


「目立たないようにしてたつもりなんだけど…ごめんな」
「どうして悠馬くんが謝るの?」

校門から少し離れたところまで歩いて…何故か謝られた。
遅くなってしまった私が謝ることはあったとしても、悠馬くんはただ約束の通りに迎えに来てくれただけなのだから謝るようなことは何もないと思うのだけれど。

「や、なんていうか…その。嫌だったのかなぁって思って」

そこで若干目を逸らす理由も、よくわからない。いやだった、って。何が…?

「ん、あれ?その…気づかなかったこと、とか?あんなに近くにいたのにな?」
「…あの、私、怒ってはいないよ?」

どう声を掛けたものかわからなくて少し困ってしまったのは事実でも、原因は遅れた私にあるし。彼のせいで何かいやな気分になったわけでもないのだけれど。

「そうなのか?さっきから全然こっち見てくれないし、だんまりだったから…」
「…すこし、疲れた…のかな?」
「やっぱり俺の…」
「ん、と…。じゃあ、そうかもね?」
「えっ……って、なんでそこで笑うんだよ」
「ふふふ。冗談」

彼のせい、という言葉に冗談のつもりで同意して…冗談を言い慣れていないせいか、なんだか笑ってしまった。

「知ってる?悠馬くんは、かっこいいんだよ」
「ん?んん…?なんだよ急に…」
「…ふふ。そんなことよりもテスト勉強だよ。悠馬くんは、生物?」
「生物はやろうって思ってたけど…。そんなことだったか…?」


磯貝くんって、やっぱりかっこいいよね、とか。優しそうだから絶対、彼女になったら幸せだよね、とか。そういう声を聞いてしまった。
椚ヶ丘にも…きっと、彼の通う学校にもそういう風に思って、彼に憧れる子はたくさんいて…それがなんだか、いやだと思ってしまった。
悠馬くんは、私の、だもの。…なんて、おかしな感情が湧いて来て、それをどう処理したらいいのかわからない。

30→←28



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
85人がお気に入り
設定タグ:暗殺教室 , 磯貝悠馬
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

nano*(プロフ) - チキン神様さん» チキン神様さま、ありがとうございます。お待たせいたしました!続編も楽しんでいただけるように頑張りますね。またよろしくお願いいたします (2022年7月11日 10時) (レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
チキン神様(プロフ) - ついに!ついにです!続編が公開されました!!nanoさんお疲れ様です〜! (2022年7月10日 21時) (レス) @page2 id: a44e6bddf2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:nano* | 作成日時:2022年7月10日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。