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今度の連休、どっか行って来いよ!
そんな軽いアドバイスと、やっぱり明るく眩しい笑顔を残して前原くんは帰って行った。

…悠馬くんと一緒に行きたい場所。考えてみてはいるけれど…。どんな場所があるかな。それと、悠馬くんはわがままを言われるとうれしいの…?
本当だったとしても、わがままって、誰かに言えと言われたからといって突然言えるようになるものでも、ないと思うのだけれど。少なくとも私にはなんだか、難易度が高い気がする。
私のせいで彼のことを困らせてしまったら嫌だ、という考えが先に立ってしまう。自分のやりたいこととか、相手に、自分のために何かをして欲しいとか、そういうことをたくさん伝えるのはあまり、得意ではない、し…少し、こわい。


「Aはどこか、行きたいところとかあるか?」

アルバイト終わりの彼に尋ねられた。せっかくの連休だし、どこかに出かけるのもいいかも、と。先ほどの前原くんと同じようなことを言う彼に少し笑ってしまった。連休といえばどこかにお出かけ、みたいな考えは、みんな同じなのかな?

「…前原にああいう風に言われたから、ってだけじゃなくてさ。前に言っただろ?全部俺が一緒に見つけたいって」

行ったことのない場所や見たことのないもの、経験したことのないこと。そういう、経験の少なさから今までに私が、見つけられなかったもの。
ぜんぶ、一緒に探して、見つける。そんな約束をしてくれた。
すごく…本当にとっても、嬉しいのだけれど。なんだか、終わりの見えない約束だな、と少し思う。そんなもの、いくらでもありそうだもの。
…それくらい、彼も私と一緒にいるつもりでいてくれている、ということでいい、のかな?

「前原くんに言われて、考えてはみたのだけれど…なかなか思いつかない」

アルバイトも学校もないお休みの日といえば読書や予習。中学生になってからはおうちのこともそこに加わる、みたいな。…そんな生活を、ずっと続けてきたから。出かけてみたい場所、なんて、実はイメージもあまりできない。

「別に、思いつかないからって怒ったりしない。そんな顔するなよ」

笑いながら頭を撫でられた。

「悠馬くんは、なにかある?」
「俺?んん…そうだな〜。Aと一緒なら、どこでも楽しいと思うけど…」

それは私もそう思う。さっき言った通り。悠馬くんと一緒にいる、それだけでも幸せなのだから。本当に、どこに行っても楽しいのだろうな。

「とりあえず俺が思いついたとこ挙げてみるな」

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nano*(プロフ) - チキン神様さん» チキン神様さま、ありがとうございます。お待たせいたしました!続編も楽しんでいただけるように頑張りますね。またよろしくお願いいたします (2022年7月11日 10時) (レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
チキン神様(プロフ) - ついに!ついにです!続編が公開されました!!nanoさんお疲れ様です〜! (2022年7月10日 21時) (レス) @page2 id: a44e6bddf2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nano* | 作成日時:2022年7月10日 21時

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