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1つの単元の予習を終えて、なんとなく隣に目を向けてみる。E組にいた頃は、正面から向き合うことが多かったけど、隣で読書してるのを眺めるのもなかなかいいもんだな。
空の色が変わり始めるくらいの時間帯。Aの集中はまだ途切れないらしい。
やっぱり、俺も一緒に来て良かった。放っておいたら閉館まで時間忘れて読書を続けそうな勢いだ。別に、何時まで続けてくれても構わないんだけど、暗くなってから女の子が1人で歩くのは危ない。俺がいれば時間については気にせず読書ができるはずだ。
窓からの夕日の差し込み具合も相まって…うん、なんか、綺麗だな。
しばらく見惚れてたら不意に顔を上げたAとぱちりと目が合う。読書中のAはたまに、疑問に思ったことや、あとで考えたいことについてメモを取ることがある。彼女の視線の移動はメモ帳と本の往復くらいのもの。こちらから声をかけたとかじゃない限り、目が合うことなんてまずない。…そのおかげで、ちょっと油断してた。
「…なにか、あった？」
勉強でわからないところがあったとか、そろそろ帰るとか、閉館時間はまだだよね…。と、俺が彼女をまじまじと見つめていた用件についてあれこれ予想して列挙していく。
「や、その…えっと。用事があるわけじゃなくて。時間はもうちょっと大丈夫そうだし、その…どうぞ続けて？」
綺麗だったから見惚れてた、なんて気障なセリフは流石に言えなくて、脳がうまく働かなくて不自然になりながらも、どうにか読書の再開を促すことに成功した。まあ、当然というか首を傾げられちゃったわけだけど。
「…悠馬くん。そんなに見られると読めるものも読めない、かな」
しばらく首を傾けたままのAと見つめ合ったところで、耐え切れないというように小さく声を上げた。手に持っていた本で、俺の視線を遮るように自分の顔を半分ほど隠す。髪の隙間から少し覗く耳は、ほんのり赤くなってる。
余程恥ずかしかった、のか？
「……ごっ、ごめん…？」
しばらく固まっちゃった後大声を出しそうになって、ここが図書館だってこと…大声を上げてしまえばAに怒られる可能性があることを思い出した。
謝りつつそーっと目を逸らして、開いたままにしてた参考書に視線を向けておく。
「…ん」
小さく頷いて…読書を再開したのかな。精一杯目を動かして視界の端に捉えたAの顔はやっぱり赤くなってるみたいだった。
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nano*(プロフ) - チキン神様さん» チキン神様さま、ありがとうございます。お待たせいたしました！続編も楽しんでいただけるように頑張りますね。またよろしくお願いいたします (2022年7月11日 10時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
チキン神様(プロフ) - ついに！ついにです！続編が公開されました！！nanoさんお疲れ様です〜！ (2022年7月10日 21時) (レス) @page2 id: a44e6bddf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年7月10日 21時
