検索窓
今日:24 hit、昨日:5 hit、合計:19,684 hit

10 ページ11

クラス全員の自己紹介を聞いた後、外部入試で入学した人は勝手がわからないことも多いし、中学から変わった部分もあるから、学内の施設について軽く説明を受けた。講堂で行われた新入生歓迎会は生徒会長さんの歓迎の挨拶から始まってそれぞれの部活動の紹介を聞いたりして。
交流会みたいなものはなんだか気疲れしてしまうから、通常授業、早く始まるといいな…。

放課後。
図書室に行くのもいいけれど、今日は、少し疲れてしまったから真っ直ぐに帰ろう、かな。
…とは、思うのだけれど。学校を出るには、下駄箱周辺で行われているとっても…本当にとっても活発な部活動勧誘の賑わいを抜けなければいけない。どの部活動も、新入部員の獲得に真剣みたいで教室まで呼び込みの声が聞こえてくる。部員数は部費の額にも関わってくるし、優秀な人が入部してくれれば部の強さや活動のしやすさにも繋がる。当然といえばそうなのかもしれないのだけれど。中等部と同じ部活動に入る人も多いのではないかと思っていたけれど…賑わい具合を見るとそうでもない、のかな?
私は…入部は義務というわけではないし。それなら、中学の頃と同じ、所謂帰宅部のままでいい。

出入り口のすぐそばが指定された座席の赤羽くんは、涼しい顔で真っ先に教室を出て行った。待ち構えている勧誘の声もあの顔で素通りできるのかな…。
浅野くんはクラスメイトにいくらか話しかけられて笑顔で対応した後、迷いなく生徒会室に向かっていった。彼のことだから、中学校までの経験も人脈も、すべてを活かしてあっという間に盤石な統治の体制を築いてしまうのだろうなと思う。

「……」

なんとなく、小さく息を吐き出しながら鞄を持って、覚悟を決めて教室を出る。
入部の意思がない人に時間を割くのは、勧誘してくれている先輩たちの時間を無駄に使わせてしまうことになる、から。目線は目標…下駄箱の方向だけを見つめて歩いてきたつもりだったのだけれど…。

手の中には、文化系の部活動から運動部、マネージャー募集のチラシもある。見学すら、行くつもりはないのだけれど…。
上履きを履き替える前に、半ば押し付けるような勢いで手渡されたチラシたちの向きを整えながら、ほっと息を吐き出す。
単純に人が集まっていたから密度が高かったうえに、たくさんの先輩たちから声を掛けられて…熱気も、なんだかすごかった。ただ通り抜けるだけ、だったはずなのに、なんだかすごく疲れたな。

11→←9



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
85人がお気に入り
設定タグ:暗殺教室 , 磯貝悠馬
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

nano*(プロフ) - チキン神様さん» チキン神様さま、ありがとうございます。お待たせいたしました!続編も楽しんでいただけるように頑張りますね。またよろしくお願いいたします (2022年7月11日 10時) (レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
チキン神様(プロフ) - ついに!ついにです!続編が公開されました!!nanoさんお疲れ様です〜! (2022年7月10日 21時) (レス) @page2 id: a44e6bddf2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:nano* | 作成日時:2022年7月10日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。