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Aside
なんだか物音がする。
いつの間にか机に突っ伏した状態で寝てしまっていたらしい。
まだ覚めきっていない頭が、物音が玄関からすることを徐々に理解し始めて。
『えっ……?』
その音が玄関扉の鍵をあける音だと分かったときには、既に扉が開く音がして。
誰……?お兄ちゃん?それとも泥棒……?なんて、最悪の想像までしていたら。
壱馬「A!」
少し慌てた様子で私の名前を呼びながら部屋へと入ってきたのは、まさかの壱馬くんで。
『え、壱馬くん……?どうしたの……?なんで……?』
なぜ壱馬くんが来たのかも、なぜ壱馬くんが鍵をあけられたのかも、何もどういうことなのか分からない。
壱馬「Aごめん……」
そして、なにがなんだか分かっていないままの私に急に謝り出した。
『え、待って』
余計に混乱する頭。寝起きにこの情報量は処理しきれない。
『なんで、壱馬くん……いるの?ゲームは?』
壱馬「うん、ゲーム始める前にありとと連絡取り合ってたら、なんか流れで今日は木曜日やって話になって」
壱馬「そしたら今日二人でゆっくり出来るなって話をしてたこと、思い出して、それを説明したらそっち行けって言ってくれて……」
昨日はあんなにモヤモヤしたし、朝はあんなにも寂しくなってしまったのに。
壱馬くんが自ら思い出してこちらに来てくれたのが、純粋に嬉しかった。
でも。
『ありとくんだけじゃなくて、別の方とも約束してたんでしょ?本当に良かったの……?』
あんなに嬉しそうに報告してくれたくらい楽しみにしていたはずなのに。
私のせいで、壱馬くんの趣味の邪魔をしてしまったんじゃないだろうか……。
壱馬「またいつでもやれるから、って快く送り出してくれたから大丈夫」
私の罪悪感を感じ取ったのか、優しく微笑んでそう伝えてくれた。
壱馬「忘れててごめん。昨日連絡したときから、嫌な思いさせてたやんな?本当にごめん」
『ううん。あれ?って思ったけど、でももう、大丈夫です、謝らなくて。私も気付いたけど言わなかったわけだし……』
本当に申し訳なさそうな表情でそう言う壱馬くんを見ていたら、昨日のうちに今日のことを相談しておけばこんな顔をさせずに済んだんじゃないかと思ってしまった。
それに。
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M a(プロフ) - riku推しさん» riku推しさん、お付き合い頂きまして本当にありがとうございました!幸せというお言葉、嬉しくてたまりません😳 引き続きお付き合いいただけると嬉しいです!riku推しさんの作品も楽しみにしています☺︎︎︎︎ (2023年1月5日 22時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - km0107さん» お久しぶりになってしまい、すみません!完結いたしました☺︎︎︎︎ いつもコメントありがとうございました!km0107さんの気遣い溢れるコメントにいつも励まされておりました。お付き合いいただきまして、本当にありがとうございました! (2023年1月5日 22時) (レス) @page43 id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
riku推し(プロフ) - Maさん🥺ステキな作品をありがとうございました!更新されるたび『あ!』ってなって、読んでる時間は幸せな時間でした!完結おめでとうございます!お忙しいとは思いますが体と相談しながら別の作品の更新を楽しみにしてます! (2022年12月26日 15時) (レス) @page44 id: 6429ca0a87 (このIDを非表示/違反報告)
km0107(プロフ) - こんばんは✨ そろそろ更新されてるかなと思ったら…お仕事忙しいようですね😅寒い日が続いてますので気をつけてくださいね☺️2人のお話も早く読みたいです😢 (2022年12月17日 21時) (レス) id: 2f284eb8ed (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - km0107さん» それからまたしばらく空いてしまってすみません……!!いつも楽しみにして頂いてありがとうございます😭 思ったよりも時間が取れなくて自分でも驚いているほどなのですが、そのうち落ち着くかと思うのでもう暫しこのペースをご辛抱くださいませ😭 (2022年10月26日 23時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M a | 作成日時:2022年9月6日 11時