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健太「一日休みが二人とも重なるなんてあんまないだろうから、こういう日は会うのかと思ってた」
……私も、今日は一緒に過ごせるものだと昨日の夜まで思っていました。
なんてことは口に出来なくて。
『一日休みなんて、それこそ壱馬くんは少ないだろうからさ。やりたいことやってもらった方がいいから』
これは、本音でもあるし、本音と矛盾する気持ちでもある。
自分でももう、何が本音か分からない。
健太「……壱馬と付き合って、ちょっとは甘えられるようになったのかなって思ってたけど、AはAだね。寂しいくせに」
優しい表情と声色でそんな風に言ってくる健太くん。
今の脆いメンタルにはその優しさが大きな打撃になってしまって。
『……っ、』
昨日から我慢できていた涙が一粒、また一粒と溢れてしまった。
健太「泣くほど寂しいんなら言えばいいじゃん」
隣に座って頭を撫でてくれる健太くん。
温かくて優しい手だけれど、これじゃない、って思ってしまう嫌な自分がいる。
『ちがうの、今日は、言えない』
今日会わない理由、そして自分の気持ちに余裕がないことを健太くんに簡潔に話した。
健太「壱馬がそういう約束忘れるなんて珍しいね」
『……曖昧に話しただけだから、約束は、してない』
健太「……Aのそうやって相手のことを優先して考えられるところいいところだと思うけど、」
健太くんは立ち上がって、私が飲み終えたホットミルクのカップを洗いにいきながら話し続ける。
健太「こういう時こそ彼女に頼られたい甘えられたいって彼氏っていると思うし、少なくとも壱馬はそうだと思うし」
洗い終わったカップを水切りスペースに置いて。
健太「そんな時に彼女が他の男に頼ってるなんて、後で知ったら俺無理だわ」
まぁ、頼らせたの俺だけど、なんておどけて付け足しながら私の近くへと戻ってきて。
健太「Aの気持ちが落ち着いてからでもいいから、ちゃんと、壱馬には正直な気持ちを言うこと。いい?」
『……はい』
私の返事によし、と言って、台所にあったバナナを手に持って、ちゃんと寝とけよーと叫びながら帰っていった。
『お昼過ぎてもしんどかったら、連絡、する……』
自分に納得させるように呟いて、もう少しだけ体を休めた。
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M a(プロフ) - riku推しさん» riku推しさん、お付き合い頂きまして本当にありがとうございました!幸せというお言葉、嬉しくてたまりません😳 引き続きお付き合いいただけると嬉しいです!riku推しさんの作品も楽しみにしています☺︎︎︎︎ (2023年1月5日 22時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - km0107さん» お久しぶりになってしまい、すみません!完結いたしました☺︎︎︎︎ いつもコメントありがとうございました!km0107さんの気遣い溢れるコメントにいつも励まされておりました。お付き合いいただきまして、本当にありがとうございました! (2023年1月5日 22時) (レス) @page43 id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
riku推し(プロフ) - Maさん🥺ステキな作品をありがとうございました!更新されるたび『あ!』ってなって、読んでる時間は幸せな時間でした!完結おめでとうございます!お忙しいとは思いますが体と相談しながら別の作品の更新を楽しみにしてます! (2022年12月26日 15時) (レス) @page44 id: 6429ca0a87 (このIDを非表示/違反報告)
km0107(プロフ) - こんばんは✨ そろそろ更新されてるかなと思ったら…お仕事忙しいようですね😅寒い日が続いてますので気をつけてくださいね☺️2人のお話も早く読みたいです😢 (2022年12月17日 21時) (レス) id: 2f284eb8ed (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - km0107さん» それからまたしばらく空いてしまってすみません……!!いつも楽しみにして頂いてありがとうございます😭 思ったよりも時間が取れなくて自分でも驚いているほどなのですが、そのうち落ち着くかと思うのでもう暫しこのペースをご辛抱くださいませ😭 (2022年10月26日 23時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M a | 作成日時:2022年9月6日 11時