探してたもの、見つけたかもー２ー【藤原樹】

６８ ページ18

Aside











『あの……さ？うーちゃんって

彼氏さんとどのくらいのペースで会ってる……？』









うー「なに急に。ていうか、え、A……彼氏出来たの？」









した質問に答えてくれないこの子は

高校１年生の時に出会った今や大親友のうみちゃん。

通称うーちゃん。









今日は一日朝から夜までバイトで、家を出て歩いていたら

偶然同じく朝からバイトに向かううーちゃんに会った。









にしても、やってしまった。

樹さんの職業柄、彼氏が出来たことを周囲に漏らすと

言及されたときに困るなと思って報告していなかったのに。









馴染みの人の隣はどうも気が緩んでしまうみたい。









『えっと……そう、です』









うー「ついに……私の可愛いAが他の男に……っ」









『ふふっ。私に彼氏が出来たの初めてじゃないのに』









うー「学生の頃のおままごとみたいな付き合いと

この年齢になってからの恋人は話が違うでしょー！」









うーちゃんは出会った頃から

私のことを可愛い可愛いって愛でてくれる。









そんなうーちゃんは、密かに想いを寄せる人が絶えない

学校イチと言っても過言じゃないほどの美人さんだけど。









学生時代も、私が恋愛関係で悩みがちなところを

過保護なくらい親身になって相談に乗ってくれていた。









うー「そっか……Aに彼氏かぁ。

で、彼氏と会う頻度だっけ？

そうだなぁ……んー、うちは週２,３かなぁ？」









『週２,３……』









最後に会った日に

しばらく予定が合わなそうだね、なんて話していたから

ある程度そのつもりではいたけれど

本当に樹さんに会えていない日々が続いていた。









連絡はこまめに取っているから

完全に私の中の樹さんが枯渇してしまっているわけじゃない。

だけど、そろそろ、会いたい。









うー「会えてないの？彼氏と」









『うん……』









うー「連絡したらいいじゃん。“会いたいよー”って」









『そうやって気軽に言えるんだったら

こんな風にうだうだーってしてないなって、思いません？』









確かに、と真顔ですぱっと返事された。









でもこまめに連絡はとってるんだね、と

行ってきます！と樹さんにメッセージを送った画面を見つけられた。









うー「樹、って名前なんだ。へー」











.

６９→←６７

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す