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俺がそう言うと、悲しげな表情を浮かべながら

服を置いてる部屋に入っていった。









その間俺は部屋の隅に逃げたマースを眺めながら

部屋の中に他に明日香の物がないかを探した。









リビングにはもう何も無さそうだな、と思ったところに

明日香も一つのハンカチを手にして部屋から戻ってきた。









明日香「これ、頂き物なの。

今度、これをくれた方に会う予定ができたから必要でね、」









なんだかんだで長々と話し始め

居座りそうになっている明日香。









樹「ごめん、用終わった?」









明日香「あっ……ごめんなさい、」









話をぶった切るように発言したら

気まずそうに、無理やり笑った。









ふと気になった

大人しく玄関へ向かう明日香の持つ鞄。









小さいバッグしか持たないイメージだったけれど

今日大きめのブランド物のトートバッグを肩に提げていた。









まぁ、どこかに出掛けるついでに寄ったのか

残していったものが他にもあるからか何かだろう、と納得し

気になったのは一瞬。









明日香「本当にごめんね、急に来て」









樹「……うん。でも、これで最後にして。

大切にしたい人がいるから……その人のこと不安にさせたくない」









はっきりとそう伝えると

明らかに傷付いたような顔をした明日香。









明日香「そう、なんだね。

でもこれで全部はず。何か残ってたら、捨てちゃって?」









樹「分かった」









それでも、なかなか部屋から出ていかない明日香。









いい加減にしてほしい、そう言おうとしたその時。









樹「ちょ、」









明日香がいきなり抱き着いてきた。









明日香「……まだ好きなの、樹。私……っ」









樹「……離れて」









その体に、触れたいとさえ思わない。

離すために触れることさえ、その気が湧かない。









樹「マジで」









俺の声のトーンがあまりにも温度がないからか

涙を浮かべながら俺から離れて部屋を勢いよく立ち去っていった。









部屋中に残る、明日香のキツい香水の匂い。

俺の服にもあの一瞬で香りが移るほど。









マースにも強い匂いはあまり良くないから

急いで窓を開け換気をして

香水の匂いが付いた服を洗濯機に入れた。









それがまるで浮気の証拠を消すような行動にも思えて

やましい事はないのに、小さな罪悪感を感じた。










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設定タグ:藤原樹 , THERAMPAGE   
作品ジャンル:恋愛
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M a(プロフ) - 貴世さん» コメントありがとうございます。そして、読んでいただきありがとうございます。続編は只今準備中ですので、整い次第通常公開とさせていただく予定です。それまでもう少しだけお待ち頂けますと幸いです😳 (2023年4月13日 8時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
貴世(プロフ) - 初めまして、小説楽しんで読んでいます、探してたもの、見つけたかもー3ー藤原樹のパスワードを教えて下さい、続きが読みたいです、お願いします。 (2023年4月13日 0時) (レス) id: fd9a14ea59 (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - 彩夏さん» コメントありがとうございます☺︎︎︎︎ それからまた久しぶりの投稿になってしまいまして……すみません😢 お待たせいたしました😢 更新が嬉しい、そのお言葉でがんばれます😳 引き続きよろしくお願いいたします! (2023年3月7日 11時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - こんにちは☺️ 久々の更新楽しみにしてました( ; ; ) 占ツクを開いて、この作品が更新されているとすごく嬉しいです♡ 今回の更新もキュンが止まりませんでした🥰 またお時間がある時に更新してくださるのを楽しみに待っています! (2023年2月13日 4時) (レス) id: 12838cc98b (このIDを非表示/違反報告)
M a(プロフ) - りーさん» 優しかったです🥲♡ 大阪の方に私は行きました! (2022年11月3日 22時) (レス) id: a3905d213c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:M a | 作成日時:2022年10月1日 14時

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