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ページ29

どうして安室さんがここに。助かったんだ。スーツということは公安の仕事だったのかな。助けてくれたお礼を言わないと。さすがに、怖かった。

 何か話そうにも頭がぐるぐるしてしまい、上手く言葉にできないでいる。中身はとっくにアラサー、前世を含めたらアラフォーだというのに情けない。せめて大丈夫です、だけでも伝えようと口を開いたところで足音が聞こえて過剰に驚いてしまった。



「降谷さん、突然どうしたんですか?」

「えっ」



 あ、やばい。風見さんの登場に素でえって言っちゃった。今の反応はあまりよくない気がするけど大丈夫かな。待てよ、私は一応安室透という名前しか知らないていだから、違う名前で呼ばれて驚いたってことにしよう。よし、それでいこう。

 こういうときはちゃんと頭回るんだな、なんて考えていたら安室さんが立ち上がり男たちに目を向けてから風見さんに話しかけた。会話内容は聞こえないけど、私とこの男たちをどうするか話してるんだろう。というか今の状況でそれ以外話すこともないか。そういえばこの人たち起き上がったり呻いたりしてないけど、もしかして気絶してる? 安室さんいったい何したんだ。



「Aさん」

「あっ、はい! なんですか?」

「少し話があるので、場所移動しても大丈夫ですか? ここにいるのも不安でしょう」

「えっと、はい。大丈夫です」



 しゃがんで目線を合わせてくれる安室さん。ただ、心なしか声に怒りが含まれてる気がするんだけど。基本的には優しい声なのに、話があるのところだけちょっと違う気がした。

 怒られるのかな、と心臓がきゅっとなる。まあ仕方ないかと覚悟して顔を上げたら風見さんと目が合った。



「そういえば、この人は……あっ、もしかして安室さんと同じく探偵の人ですか?」

「えっ」

「ああ、そうなんですよ。ちょうど彼と仕事していて」

「えっ」



 これぐらいなら触れてもいいかな、こういう勘違いしなくもないかな、と話してみたけど風見さんを混乱させてしまったみたいだ。ごめん風見さん、今はそういうことにしておいて。



「それじゃあボクとAさんは移動するので。あとはお願いしますね、風見“さん”」

「っ、はい!」



 わあ、月明かりだけでも分かるぐらい冷や汗だらだらだ。うん、本当にごめん風見さん。ただでさえ大変だろうに心労を重ねさせて本当にごめん。

**作者より**(いずれ消します)→←*



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緋焔(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます!すきと言っていただけてとても嬉しいです。 (10月8日 18時) (レス) id: cc6c003b63 (このIDを非表示/違反報告)
緋焔(プロフ) - 積田姉貴さん» コメント嬉しい限りでございます。ありがとうございます!更新頻度は遅いですが少しずつ進めていきますので、お時間ある時にまた読んでいただけたら幸いです。 (10月8日 18時) (レス) id: cc6c003b63 (このIDを非表示/違反報告)
緋焔(プロフ) - たろ。さん» 今更の返信、大変申し訳ございません。コメントありがとうございます! 赤井さんをかっこよく表現できているようで良かったです! (10月8日 18時) (レス) id: cc6c003b63 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すきです (10月8日 13時) (レス) @page26 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
積田姉貴(プロフ) - こちら更新はもうされないのでしょうか、?とても面白く読み進めていたので少し悲しい気持ちです🥲ぜひ気が向いたときにでも更新待ってます🥺 (9月19日 22時) (レス) @page24 id: 3fa67e14b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Scarlet10 | 作成日時:2021年5月14日 21時

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