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鋭利な優しさ ページ22

さて、この状況をどうしようか。


 “あの日”から一週間が経とうとしていた今日は花の金曜日。いや全然花じゃないけどね、どうにか気を紛らわせたいから変にテンションを上げていくしかない。流石にこの状況は怖いって。

 そう内心焦りまくっている私の背中に突き刺さるのは、殺意混じりの視線だった。


 五日前ぐらいから視線を感じてたけど、多分、というか絶対にあの犯人だよなぁ。家に刑事さん達がきて事情聴取している時も同じ視線は感じていたし、私が顔を見てしまった可能性があるから、口封じをしようとでも考えているのかもしれない。



「……どうしよっかなぁ」



 視線が怖くなった私は一人でいたらよくないと思い、買うものもないのに思わずスーパーに入ってしまった。怪しまれないためにも店内を歩くけど、今はご飯のことなんて考えられない。

 なんでスーパーでもつけてきてるんだよ! 姿見えてないけど視線がすごいんだって! おかげさまでカゴを持つ余裕もなかったんだから!

 そう叫びたいぐらいだったけど、できるはずもなくお菓子コーナー見に行く。お菓子だけならカゴを持ってなくてもおかしくないだろう、と考えてのことだ。


 ああでもこれを買ったら結局一人で帰ることになる。やっぱり誰かに相談するべきだったかな、でも実害が出てないのに相談するのも迷惑かもしれない、と思考をぐるぐるさせていたら、不意に優しい声で名前を呼ばれた。



「Aさん、こんばんは。夕飯のお買い物ですか?」

「あっ、沖矢さんこんばんは。そうなんです、どうしようか悩んでいまして」

「……ここはお菓子コーナーですよね?」

「お菓子も食べたくなったんです」



 声をかけてくれたのはカゴを持っている昴さんで、知人の登場に物凄く安心を覚える。カゴを持っていないことを言われるかヒヤヒヤしたが、何も触れられなくて一安心だ。今は下手なこと言えないから。

 なんて安堵していたら、不意に昴さんの顔が近づいてきて声を上げそうになってしまった。えっ、待って待ってこれどういう状況?


 一人慌てふためく私をよそに、昴さんはにっこりと笑うと不思議なことを言い出した。



「Aさん、そのネックレス素敵ですね。いつからつけられているんですか?」

*→←*



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緋焔(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます!すきと言っていただけてとても嬉しいです。 (10月8日 18時) (レス) id: cc6c003b63 (このIDを非表示/違反報告)
緋焔(プロフ) - 積田姉貴さん» コメント嬉しい限りでございます。ありがとうございます!更新頻度は遅いですが少しずつ進めていきますので、お時間ある時にまた読んでいただけたら幸いです。 (10月8日 18時) (レス) id: cc6c003b63 (このIDを非表示/違反報告)
緋焔(プロフ) - たろ。さん» 今更の返信、大変申し訳ございません。コメントありがとうございます! 赤井さんをかっこよく表現できているようで良かったです! (10月8日 18時) (レス) id: cc6c003b63 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すきです (10月8日 13時) (レス) @page26 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
積田姉貴(プロフ) - こちら更新はもうされないのでしょうか、?とても面白く読み進めていたので少し悲しい気持ちです🥲ぜひ気が向いたときにでも更新待ってます🥺 (9月19日 22時) (レス) @page24 id: 3fa67e14b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Scarlet10 | 作成日時:2021年5月14日 21時

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