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「あれ?外した?」
『はぁ……弁償は悟持ちで』

右足に呪力を集中させ、穴が空いている近くを蹴る。虎杖も殴り、壁にぽっかり穴が空いた。空いた瞬間に虎杖は動き、呪霊に捕まっていた男の子を救出。


「あっ、逃げた!!」
「逃がすか!!」

その腕よこせ、と釘崎が虎杖に言い、受け取った呪霊の腕の上に藁人形を置いた。
それから釘崎は、トンカチと釘も出しこう唱えた。



芻霊呪法
「共鳴り」


外から呪霊の呻き声が聞こえ、遂には気配が消えた。





「だから言ったろ!!一人は危ねー、真面目にやれ、って!!」
「一人は危ないなんて言われてないわよ!!」
「言っ……ってなかった!?」
「つーか何食って育てば、素手で壁ブチ破れんのよ!」
「鉄コンじゃなかったんだよ!」
「鉄コンじゃなくても無理よ普通!」

虎杖の方を向いていた釘崎は、ぽっかり穴が空いた壁を指しながら私の方を向いた。


「アンタもアンタ!どうやったら壁を蹴破ろうって発想になんのよ!」
『悟が弁償する金を増やそうと思って』

何故か釘崎も虎杖も黙り、男の子には汚いものを見るような目で見られた。
その目を素直に受け止めた私は、「こんな奴になっちゃ駄目だよ」と、自分を指して言った。釘崎と虎杖は、衝撃的なものを見たような顔をした後、またもや黙り込んだ。


「釘崎、お前何で呪術高専来たんだよ」
「田舎が嫌で、東京に住みたかったから!!」

虎杖はまた、衝撃的なものを見たような顔をした。今度は暫くそのままだった。


「じゃあ霊群は?何で高専いんの?」
『死ぬ人を減らす為かな』

即答。これ以外に、゙除霊師゙から呪術師に移った理由なんてない。死者を救うんじゃなくて、死ぬ前救いたかった。


「えっ?それで面談通ったの?」
『通ってないよ。だから虎杖が面談した日、私も面談してたでしょ』
「あっ、そうだった!五条先生蹴ってたよな!?」
『めちゃくちゃ嫌な覚えられ方なんだけど』


**


記録─────2018年7月

西東京市 英集少年院運動場上空
特級仮想怨霊─名称未定─
その受胎を非術師数名の目視で確認
緊急事態のため高専一年生3名が派遣され


内1名 死亡

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片喰 - 五条先生…!一体、何円払ったんだ!   続きが待ち遠しいです! (2021年3月5日 17時) (レス) id: eddf3dedf8 (このIDを非表示/違反報告)
もここ - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2021年3月5日 17時) (レス) id: a70ee3e6ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:二見 | 作成日時:2021年2月28日 21時

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