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〜卒業式〜
«今日は多くの中学校で卒業式が行われました。涙を流す生徒も見られます───。»
«続いてのニュースは連日東京都内で発生中の事件の続報です。犯罪ジャーナリストの───、»
「……任務入るかもな」
『だね。警察が動いてるから面倒臭そう』
「でも私達には回って来ないでしょ」
「ナナミンが担当だったな」
寮の共有スペースでニュースをバックで流しながら、ババ抜きをしている。暗い話題になり、時間とトランプを取る手だけが動く。私の番になって引くとババだった。
「はははっ、霊群顔に出すぎ!」
『ピンチって顔したら助けてくれるかと……』
「そういう遊びじゃねぇよ」
「ルール分かってるわよね?」
流石に分かってる。暗い空気を変える為に私のバカな脳みそをフル回転させたのだ!
ヤケ糞で体の後ろでトランプをシャッフルし、ドヤ顔で伏黒に向ける。見事にババが残った。
「霊群、お前中学どこ?」
『山梨の某中学校!』
「えっ!有名なとこ!?」
『んな訳ないじゃん。私バカだよ?』
虎杖に任せとけば良かったと思う。私のバカな脳みそより虎杖のコミュ力の方が上だから。
そして、虎杖の神レベルのコミュ力と話題選びのセンスにより、中学の卒業式の話になった。
「伏黒はヤンキーだったもんな……」
「足組んで椅子に座ってそう」
『名前呼ばれたとき無視しそう』
「しねえよそんな事」
嘘だー!と言うと、嘘じゃねぇって真剣な声で言われたから諦めた。ただの弄りなのに。
茶化された事が相当不服だったのか、私達の卒業式はどうだったのかを聞いてきた伏黒。
「私は普通。ド田舎だし」
「俺もパッしたのはねぇな。宮城だし」
『私もないよ。山梨だし』
「県を理由にすんじゃねえ」
相変わらずの鋭いツッコミを受けた後、お前は何かあったろ例を見ない出来事って言われた。
でも流石に私でも卒業式での失態は無い。失態は無いけど後日談的なのだったら無くも無い。
『卒業式の後に山登って次の日ボーリング行ったら、皆筋肉痛とかでガターばっかだった事なら……』
「誰だそのスケジュール提案した奴」
『勿論、私』
この日から登山かボーリングに誘うと、必ずカラオケにしようと言われるようになった。
中学で同じクラスだった子を誘ったら必ず断られるし。結果的に悟を誘うしかなくなった。
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片喰 - 五条先生…!一体、何円払ったんだ! 続きが待ち遠しいです! (2021年3月5日 17時) (レス) id: eddf3dedf8 (このIDを非表示/違反報告)
もここ - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2021年3月5日 17時) (レス) id: a70ee3e6ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:二見 | 作成日時:2021年2月28日 21時