03 じゅじゅさんぽ ページ42
〜桜の季節〜
いつもの如く悟は遅刻。そしてこれもいつもの如く、悟が来るまで皆してスマホを弄る。新着の小説を確認していると、ニュースサイトの通知で桜の開花予測が出たと来た。
「京都は桜開花したらしいぞ」
『東京も梅は咲いてるよ？』
「梅と桜じゃ価値が違ぇんだよ」
『梅が可哀想じゃん』
花が咲かないと梅干し食べられないんだよ？と言うと、俺は鮭が好きだ、と言われた。
釘崎は桜餅の方が人気あるでしょ、と私は否定しかされない。虎杖はよもぎ餅が好きらしい。
『じゃ、一番好きな花なんなの？』
「私は薔薇ね」
「俺は百合だ」
「俺はコスモスかなー」
『何だ、皆桜じゃないじゃーん』
それからはそれぞれの好きな花をアピールしだした。意外にも伏黒が熱弁している。へー、ほーん、ふーん、と適当に返していたら悟が十七分くらい遅れてやって来た。
「なんの話してんのー？」
「花の話です」
『悟は何の花が好きー？』
「うーん、花かぁ……」
顎に手を当て、考える仕草をしだした悟。そして閃いたらしくパッと顔を上げた。
嫌な予感しかしないのは私だけ？だって普通、好きな花を言うだけなのに咳払いしないよね？
「メガスケパスマ・エリトロクラミス」
「長いわよ」
『花言葉は"溢れ出る才能"ね……』
私の言葉を聞いた途端に伏黒と釘崎は、ゴミを見るような目で悟を見た。悟は虎杖だけに五条先生にピッタリ！って言われて上機嫌だから、気付いてないけど。
『じゃあ、桜と梅どっち派？』
「僕は梅派かな」
あらー五条と一緒で良かったわね、と釘崎が茶化してきた。悟もそれに乗ってきた。一生懸命抵抗していると、飽きたらしい悟が何でこんな話になったのかを聞いてきた。
「京都で桜が開花したーって話になって、梅もあるよーってなって、好きな花何ーってなった」
「え、東京も桜咲いてるよ？」
嘘だー！って言うと、本当だってー！って言うから案内しろー！ってことになった。高専を出て山を登って十分くらい歩くと、教室から先陣を切っていた悟が立ち止まる。
「ほら、これだよ！」
「『梅の花だぞコレ』」
「……え？」
次の日、高専に来てみると梅の木の横に桜の木が植えられていた。木の幹には、高田ちゃんと東堂葵と書かれている相合傘が刻まれていた。
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片喰 - 五条先生…！一体、何円払ったんだ！ 続きが待ち遠しいです！ (2021年3月5日 17時) (
レス) id: eddf3dedf8 (このIDを非表示/違反報告)
もここ - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年3月5日 17時) (レス) id: a70ee3e6ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：二見 | 作成日時：2021年2月28日 21時
