2 鉄骨娘 ページ5
原宿の近くまで伊地知さんに送ってもらい、行きつけのクレープ屋に寄る。生クリームたっぷりの梨クレープを頬張りながら、随分と軽い財布を収めて原宿駅に向かった。
伏黒とピンクっぽい髪の子が話してるのを見つけて背後から駆け寄ると、ピンク髪の子は青いアイスを食べていた。
『ねえ、そのアイス何味?』
「うおっ!!??」
このめっちゃ驚いた顔。どこかで見た気がする。どこだっけー?とその顔を見ていると、溜息と聞き慣れた声が聞こえてきた。その声や溜息に奥にいるウニ頭に視線を移す。
『伏黒じゃーん! 仙台の任務終わったの?』
「あぁ……まあな」
伏黒は曖昧に答え、横にいるピンク髪の子を見た。それに釣られて、私も手前にいるピンク髪の子のアイスを見る。
『で、何味なの?』
「ソーダ味! うめーよ、食う?」
『ううん、クレープあるから』
ドヤ顔で半分くらい食べたクレープを掲げる。ピンク髪の子は「うまそー」と涎を垂らしていた。
「ねぇねぇ君」と声を掛けようとした所で「名前聞いてないし、言ってないのでは?」と気付く。自己紹介しよう。
『私、
「ピンク髪って……俺は虎杖悠仁! 呼ぶなら名前で!」
『おっけい、虎杖。好きな食べ物は梨とか高いやつー!』
「俺は丼とか麺とか! 好きなタイプはジェニファー・ローレンス!」
この子、めちゃくちゃノってくれる。モテそう。
二人でワイワイやっていると、その様子を呆れ顔で見ているウニ頭が目に入った。
「輪に入れなくて寂しい?」と揶揄い半分に聞くと、伏黒は深い溜息を吐いて「勝手にやってろ」とそっぽを向く。
もう一度揶揄ってやろうとした時、悟が駅から出てきて虎杖に「制服間に合ったんだね」と話し掛けていた。
「おうっ、ピッタシ。でも、伏黒と微妙に違ぇんだな。パーカーついてるし」
「制服は希望があれば色々いじって貰えるからね」
「え、俺そんな希望出してねぇけど」
「そりゃ僕が、勝手にカスタム頼んだもん」
パーカーを触りながら「ま、いっか。気に入ってるし」と呟く虎杖に、伏黒は「気をつけろ。五条先生、こういうところあるぞ」と言った。私も激しく頷いておいた。
伏黒がなんで原宿集合なのか聞くと、悟は「本人がここがいいって」と短く答える。
虎杖が私が食べているクレープはどこのクレープ屋か聞いてきたから、もう一個食べたいし案内する事にした。
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片喰 - 五条先生…!一体、何円払ったんだ! 続きが待ち遠しいです! (2021年3月5日 17時) (レス) id: eddf3dedf8 (このIDを非表示/違反報告)
もここ - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2021年3月5日 17時) (レス) id: a70ee3e6ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:二見 | 作成日時:2021年2月28日 21時