─俟つ─ ページ39
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「お前はバカだな。俺がいないとかけ算も出来ないのかよ」
『かけ算は出来るよ！わり算の筆算が無理なの！』
「そういう問題じゃないってー」
『そういう問題ですぅー！具体例は大事！』
夢にしては心に深く刺さる夢。今の私にも過去の私にも、心がヒビ割れる位に刺さった。
百年河清とは、全く当てにならないことをいつまでも待つことの例え。私は待っているのかもしれない。私の所為で離反してしまった、兄が戻って来てくれるのを。
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「A！Aッ！」
『……さとる？』
焦った様な声が聞こえ、走馬灯の様な夢から覚めた。うっすら瞼を開けると碧眼の瞳。
起きようとすると頭に痛みが走り、悟に動かないで、と言われたから起きることは諦めた。
「大丈夫？一応、止血はしたんだけど」
『うーん、ちょっとクラクラする』
「当然。頭打ってんだから」
『ねぇ怪我してるのにそのノリ？』
何か凄い辛辣なんだけど。頭打ったの悟なんじゃない？そして可笑しくなったんじゃない？
悟を見ると呪力が少し減っていることに気付き、特級呪霊と戦っていたことも思い出した。
『特級は！？どうなったの！？』
「大丈夫、もう祓ったよ」
親指を立て大丈夫だと言う。そりゃそうだ。悟がいるのに特級が祓われてない訳ない。安心して残穢を確認すると、悟の残穢は見えず【犬神】の残穢だけが見えてビックリ。
『……いーくんは？【犬神】は？』
「"縛り"科してたんだね。破ってたよ」
『裏切って逃げた、ってこと？』
「違う違う。Aを守る為に呪力解放しただけだよ」
『……え？じゃあ、どこに』
「あそこ。疲れて寝たみたいだよ」
悟は"霊"も寝るんだね、と入り口で見張る様にして寝ている【犬神】を差した。私も視線を移してみると、再びビックリ。寝てると言うより脱力したって感じだったから。
『"縛り"を破った罰、ってこと？』
「……何か変なの？」
『うん、まぁね……』
「取り敢えず【犬神】は仕舞ったら？」
悟は深く聞かないでくれた。素直に"霊界"を開き、刀と一緒に【犬神】を"霊界"に仕舞う。
そして【地縛霊】に向き直る。【地縛霊】の下に"霊界"を広げて、自然に落とした。"霊界"を閉じると目眩に襲われ、倒れていく。でも倒れた先は、冷たい地面じゃなくて暖かくて優しい悟の腕だった。眠くなるじゃん……
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片喰 - 五条先生…！一体、何円払ったんだ！ 続きが待ち遠しいです！ (2021年3月5日 17時) (
レス) id: eddf3dedf8 (このIDを非表示/違反報告)
もここ - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年3月5日 17時) (レス) id: a70ee3e6ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：二見 | 作成日時：2021年2月28日 21時
