検索窓
今日:25 hit、昨日:0 hit、合計:99,074 hit

─本殿─ ページ37

『いつ頃に建てられたんだろうね』
「建てたよ、って日付が消えるくらい前に建てられたんだろうね」

朽ちた木の駒札を見ながら言う悟。神は死神、って文字以外が薄れている。神社の周りは大きな山に囲まれていて、妙に大きな鳥居がある。鳥居を潜るとさっきの駒札が。


「それ美味いの?ハゲたおじさんも買ってたけど」
『私をハゲたおじさんと同じ部類に入れるな』

色が褪せた鳥居の前で、コンビニで買ったコーヒーを飲む。悟はいちごオレを飲んでいる。
好奇心で鳥居を潜っていた悟が、こっちに戻りながらゴミ箱にいちごオレを捨てた。参道には一面、小石が敷いてある。社殿の両脇には、苔が生えた狛犬が鎮座している。


『ねぇ、意外と広くない?』
「うん」
『二手に分かれる?』
「うん」
『じゃ私は、本殿行くね』

元を崩せば派生は脆くなる。発生元の【地縛霊】を除霊すれば、呪霊の等級は下がる。
悟は考えごとしてるけど、呪霊は任せられる。そう判断して、一番霊力を感じた本殿に向かった。





『あれ、三級じゃん』
[ いた"ぃ〜いの い"だ"ぁ いの ]

祓除対象の三級呪霊。こいつは調査書に載っていた絵の呪霊にソックリだ。奥には【地縛霊】がいる。私が近づこうとした途端出てきた。まさか【地縛霊】を守ってる?


『どっちにしろ、祓うのが正解って訳だ』

真横にある"霊界"を開き、そこに腕を突っ込んで、置いておいた刀を引っ張り出す。
呪霊は驚き目を見開いたが、その場から逃げようとはしなかった。むしろ足に力を入れた。


『依存中、ってとこか?』


霊魂操術

皆伝式・中番

「悠宿」


瞬きを終えると呪霊は真っ二つに斬れていた。刀を"霊界"に戻す為に術式を発動しようとした時、上から強い呪力を感じ反射的に後ろへ飛ぶ。私が着地した音から数秒遅れ本殿が破壊された音が響く。瓦礫が直撃し刀は折れた。


「いったぁ……何ごと?」
『特級に刀折られた。戻らず戦って』
「おっけー!【犬神】参上!」

刀に宿したのが丁度【犬神】だった。そして宿した刀がたまたま特級呪霊に折られた。偶然に偶然が重なったとしても結果的に好都合だ。一つ仕事が増えちゃったんだから。


──────


霊魂操術

皆伝式(かいでんしき)(ちゅう)悠宿(ゆうしゅく)

─狛犬─→←10 百年河清 ─前兆─



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
145人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 術式 , 呪術師
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

片喰 - 五条先生…!一体、何円払ったんだ!   続きが待ち遠しいです! (2021年3月5日 17時) (レス) id: eddf3dedf8 (このIDを非表示/違反報告)
もここ - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2021年3月5日 17時) (レス) id: a70ee3e6ce (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:二見 | 作成日時:2021年2月28日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。