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「……また暇潰しか？」
『いえ、今日は本気です』
目の前には厳つ過ぎる顔とキモい人形。つまり私は、学長室に面談をしにやって来たのだ。本気なのをアピールする為に今日は扉を普通に開けた。前蹴りじゃなく手を使って。
『中卒のままは嫌なので』
学長は人形をチクチク指していた手を止め、サングラス越しに私を見据えた。
「ならば聞こう。お前は呪術高専に何しに来た」
『死ぬ人を減らす為、涙を流す人を減らす為です』
「何故？君の知らない人間が、日々死んでいくのは当たり前のことだ。
それが呪いの被害になると看過出来ないという訳か？」
初回に味わった感覚再び。あの時の私の考えは、呪術師に通用しなかった。
それでも、私の考えは変わらない。そう、何一つ変わっていない。もう無理はしない。
『病気はその人が背負った、私じゃどうしようもないものです。事件や事故……偶然や故意のものも私が防げるものじゃない。
でも、呪いの被害なら私が防げるものです。本来死ぬべきじゃない人を救えるんです』
一度深呼吸をしてから、学長の目を見つめ直した。真っ直ぐに、忠実に。
本当の私を見てもらっても尚、合格出来ないなら仕方ない。向いていてなかったって諦める。でも私は諦めたくないから。皆に出会って虎杖を失って私の考えは定まった。
『自分が人を救える術を極めたい。死んだ人を救うんじゃなくて、生きている人を救いたい』
「お前のそれは、＝霊になって欲しくない、と言うことだろう。
だから呪詛師も殺さず救うというのか？」
『いえ。呪詛師は
「そうすればそいつが"霊"になるぞ」
『だから私が殺すんです。私の術式なら"霊"になること無くあの世に逝きます』
最初からこの答えしかなかった。でも人を守る為に皆呪術師やってるから。私もそうじゃなくちゃいけないんだと思ってた。でも悟に言われて気づいたんだ。
無理しなくていい、って。呪術師は皆イカれてる、って。底辺で留まってたらつまらない。東堂にボコボコにされるし、何より呪術師になった理由に意味がなくなる。
「……それがお前の答えか」
『はい、迷いありません』
もう一度見つめ直すと、学長は合格か不合格かの札を出してきた。あ、もしかして楽しみにしてました系？ダダダダンって片言且つ打っ切ら棒に言ってるし。
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片喰 - 五条先生…！一体、何円払ったんだ！ 続きが待ち遠しいです！ (2021年3月5日 17時) (
レス) id: eddf3dedf8 (このIDを非表示/違反報告)
もここ - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年3月5日 17時) (レス) id: a70ee3e6ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：二見 | 作成日時：2021年2月28日 21時
