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4 雨後 ページ11

信号が青に変わり、大通りに歩道を渡り出す僧衣の男。男の後ろでは明らかに人ではない"何か"が居るが、周りを行き交う人は視認出来ないようだ。


「わざわざ貴重な指一本使ってまで、確かめる必要があったかね。宿儺の実力」
「中途半端な当て馬じゃ意味ないからね。それなりに収穫はあったさ」
「フンッ、言い訳でないことを祈るぞ」

花御が発言するも、「貴様は喋るでない、何を言ってるか分からんのに内容は頭に流れてきて気色悪いのだ」と聞いて貰えなかった。そして歩道を渡り終えた一行は、渡った先にある、某ファミレス店に入って行った。


「いらっしゃいませ。一名様のご案内でよろしいですか?」
「はい、一名(・・)です」

胡散臭い笑みを浮かべ席に座ろうと歩き出すが、後ろの呪霊_漏瑚に突かれて一旦止まる。定員は困ったような顔をしているが、そんなことは気にもとめず話し出す。


「今日はもう一人来るのであろう?"呪詛師"が」
「ああ、そうだった!」

掌をポンッと叩いて、一人でたった今思い出したかのように振る舞った。
そして入口にいた定員の方を向き、胡散臭い且つ申し訳なさそうな笑顔を浮かべた。


「待ち合わせなのですが……」
「……もしかして、二十代くらいの男性とですか?茶髪で色黒で赤い瞳のイケ……」
「はい、そうです」

イケメンと続けようとしているが、僧衣の男が遮った。


「もう来ているんですか?」
「はい、彼処のテーブル席に」

僧衣の男は定員に礼を言った後、指された方にあるテーブル席へ歩いて行った。
そこに居たのは、(まさ)しく定員が言った風貌の男性。エスプレッソを飲んでいるようだ。


「苦い……」

男は、少し顔を顰めて呟いた。周りは冷たい雰囲気に包まれている。だが僧衣の男は、その雰囲気に慣れたように近づき、男のカップの中にミルクを注いだ。
慣れた手つきだった。男はミルクが程よく混ざったコーヒーを一口飲むと、満足したように口を開いた。


「夏油さん。随分と遅かったじゃないですか?」
「君が速すぎるんだよ」

夏油と言われた男は、全くお家柄の坊ちゃんは……とわざとらしくため息を吐いた。漏瑚は夏油が紹介しないので、自分から男の名を聞くことにした。男の真正面に座る。


「貴様の名は?」
「霊群 泉貴(いずき)です。宜しく」

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片喰 - 五条先生…!一体、何円払ったんだ!   続きが待ち遠しいです! (2021年3月5日 17時) (レス) id: eddf3dedf8 (このIDを非表示/違反報告)
もここ - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2021年3月5日 17時) (レス) id: a70ee3e6ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:二見 | 作成日時:2021年2月28日 21時

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