あるレイブンクローの生徒の独白 ページ2
「Msキャメロン、この魔法薬の効果は?答えなさい」
『ん〜、確か”幸せになれる”だったような?』
違う。そうじゃないよ。カスリともしていないじゃないか。
先生が怒ってしまう、と僕は内心ハラハラした。でもその心配はすぐに解消される。
A・キャメロンが困ったように笑えば、先生も周りも全て許せちゃうのだから。僕も含めてね。
僕は彼女と同い年だ。彼女はスリザリンで僕はレイブンクロー。キャメロン家といえば純血名家で”マグル生まれ”の僕とは住む世界が違う。
そんな物語のヒロインのような彼女と生徒Bみたいな僕との出会いは去年の冬。図書館での事だ。
明後日に迫るレポートを仕上げに図書館に来ていた僕はいつもと同じく図書館の一番目立たない席に腰掛けていた。たまに来る悪戯仕掛け人らに絡まれないためにね。(あの人達の仕掛ける悪戯は普通じゃないんだ)
僕の頭は限界を迎え、筆を止まらせているとそこに彼女は現れた。
『ねえねえ、私も一緒にこのレポートやっても良いかな〜?』
僕は悩んだ挙句、渋々了解した。ニコニコしながら色んな質問を問いかけてくる彼女に終始ドギマギした。周りからの視線、目の前にはホグワーツのアイドル。正直何を話したかは覚えてないんだ。…ドラゴンを扱う授業と同じくらい緊張したな。
そこから僕と彼女はたまに話す間柄になった。僕はいつの間にか彼女の虜になっていた。きっと、ホグワーツで彼女と話したり関わったりした人はみんなそうなんだと思う。それほどまでに魅力的で人を惹きつけるんだ。
僕は彼女を好きになった。でも、それは叶わない。最近の彼女は落ち着きが無かった。誰かを目で追うような素振りを見せれば肩を落とし友達に泣きつく。たまに逆もある。嬉しそうにとびきりの笑顔で笑うんだ。
理由なんて最近までわからなかった。
この事を聞くまでは。
「Aちゃん、最近シリウス・ブラックにお熱らしいよ。Aちゃんにロックオンされる男は幸せだよな〜」
彼女が虜になった男…シリウス・ブラック。
この世界はなんて不平等なんだ。僕が欲しい物をブラックは全て持っている。家柄も、容姿も、彼女の気持ちも。
でも、ブラックは彼女をはじめとする女の子からのアプローチも冷たく遇らい友達と悪戯をする事を楽しんでいる。
彼女の気持ちに応えてくれ。これが僕の今の気持ちだ。僕で無理なら、せめてブラックが。
この僕の願いは叶うのか、わからないけれど。
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こしあんのお餅 - このタイトルってTWICEのYES or YESのことですか? (2019年2月11日 22時) (レス) id: 436e739fd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はんな x他1人 | 作成日時:2018年12月21日 19時