小望月 ページ9
その後スリーマンセルを組んで任務に就いた3人は瞬く間に任務を成功させた
1つ2つ3つと、仕事を片付けた頃3人へコードネームが送られる
ライ、スコッチ、バーボン
3つのウイスキーの名前を冠した3人はその状態に満足することなく上へ上へと幹部の名を固めていった
それから2年、情報を横渡ししながらも潜入を続けていた私とは別に天色の子は上へ上へと上り詰めようとし、薄縹の子は各地の資金源の情報を嗅ぎ回っていた
けたたましく鳴っている電話の通話アイコンをタップし電話に出る
「スコッチは犬だ、見つけ次第始末しろ…居場所はわかるか」
開口一番にそう告げたジンに知らない、と返す。
恐れていたことがおこった
身バレ…逃げ切らなければその先にあるのは死しかない
屋敷へと逃げてくれているだろうか
カァ、と烏が鳴く
屋敷へは逃げてくれていないらしい
その烏はもう2度ほどカァと鳴いて空へと飛んでいった
薄縹の子はどうやらあの烏の目指す先に向かっているらしい。今夜は満月…月の光が降り注ぐ空を姿を変え烏を追って飛びまわる
ある廃ビルの屋上の上、薄縹の子を見つけて空から気配を消して降りようとすると目が合った
自分の心の臓へ拳銃を突きつけ、それでも目をそらさず私を見て笑った薄縹の子は戸惑いなくその引き金を引いた
あ り が と な
声にださずに口にしたその羅列を理解した途端その場に崩れ落ちた
知っていたのかこの子は私が何ものなのか…知っていてそばに居たのか
バァンと音が響いたのを最後に薄縹の子がくたりと動かなくなったのを見てもう薄縹が見れないのだと、目を開くことはないのだと突きつけられる
情を移しすぎたのだ
最後の笑顔が頭から離れない
お礼なんて言わなくてよかった…そんな笑顔私へと向けてくれなくともよかった
何故失ってから私はこの子を好いていたのだと自覚するのか
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漣(プロフ) - まべさん» ！？！？泣いていただけたと言っていただけてすごく嬉しいです！とても素敵なお言葉をありがとうございます！！ (2019年8月27日 11時) (
レス) id: af0e052924 (このIDを非表示/違反報告)
まべ(プロフ) - とっても素敵なお話ですね!!読んでる途中泣いちゃいました…!!貴方の作品に出会えて良かったです。 (2019年8月27日 11時) (レス) id: 17b10f229d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：漣 | 作成日時：2019年4月16日 5時
