上弦の月 ページ4
命じられたのはある組織への潜入及び情報の横渡し。
任務に失敗すれば躊躇なく殺されるような血も涙もないような組織。通称“黒づくめの組織”。
幹部は全員酒の名前を冠しており、狙撃、暗殺にかけてはプロフェッショナルばかりが集っている…らしい。
任務に就いてから情報屋として裏で活動した。売るのは裏の人間の情報のみ。
裏の息がかかっているようなBARで酒を飲みながら夜を過ごす。そろそろ、接触してきてもいい頃だと思うのだけど
「てめェが最近ここいらで噂になってる情報屋か」
「お客さん?」
「あぁ………コイツの居場所が知りたい」
サングラスのガタイのいい男に話しかけられて少しほくそ笑む。かかった、二人共の顔が書類に載っていた顔と一致した。ジンとウォッカ。組織の中でも過激なヤツら。コイツらが実質動かしてると言っても過言ではない。
「……あぁ」
「どうした、早く言え」
銀髪の方がせっついてくる。
サングラスのがにやり、と笑いながら「報酬は弾むぜ?」と続けた。
「名は確か…矢下、だったか……今現在の位置なら隣町の三丁目4番地の廃ビルの中だ」
「こいつの根城は」
「……もうひとつ向こうの町の一丁目6番地8の6号だな。ツツジが植わってる一軒家だよ」
続けて聞かれた言葉に答えを返す。
銀髪は答えを聞くやいなや引き返し、サングラスは「報酬だ」と笑って封筒を渡していった。
分厚さ的に何百万あるのだろうか、封筒から取り出しぱらぱらと中を見てみる。すべて万札の束が2つ。質問一つにつき100万ということか。
この金の中には俺たちの情報を売るなという牽制も含まれているのも分かった。
札束を封筒に戻さずにカウンターに置く。
封筒は灰皿の上で燃やした。
そんな何がついてるか分からないものなんていらない
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漣(プロフ) - まべさん» !?!?泣いていただけたと言っていただけてすごく嬉しいです!とても素敵なお言葉をありがとうございます!! (2019年8月27日 11時) (レス) id: af0e052924 (このIDを非表示/違反報告)
まべ(プロフ) - とっても素敵なお話ですね!!読んでる途中泣いちゃいました…!!貴方の作品に出会えて良かったです。 (2019年8月27日 11時) (レス) id: 17b10f229d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:漣 | 作成日時:2019年4月16日 5時