下弦の月 ページ15
おまけ続き(景光side)
卒業してからは連絡も取れずに、警視庁内で見かけることもなくなって、どう過ごしているのか検討がつかなくなった。探しても見つからないそんな日々に上官から呼び出しをくらって、潜入捜査を命じられた。
潜入捜査を初めて半年、連れられて行った幹部の部屋で彼女に再会した。俺を見て、昔と同じように笑う彼女につられて笑いそうになるのを我慢して軽薄そうな笑みを崩さずに過ごす。
その後、オールラウンダーに近い俺は彼女の護衛を任された。ひ弱な情報屋として通ってるらしい
ある日、彼女が烏と会話しているのに遭遇してしまった。隣にいたゼロと顔を見合わせて息を殺す
情報源は秘密と言っていた彼女の情報源が烏なのを彼女が発する言葉から推測した
コードネームを貰い、組織を潰すために情報を嗅ぎ回る。どこから漏れたのかいつの間にか俺がノックだという情報がでまわっていた
腰に繋がれたチェーンにかかってる鍵を握る。今、彼女の所へは行けない。巻き込んでしまう
走り出した先でライに遭遇し近場のビルへと逃げ込む
せめて、ゼロと彼女の情報だけは守らないと
屋上に突撃してきたライから拳銃を奪い自分へと突きつける。自分の心臓と、携帯の上に拳銃を置いた時、空からゆっくりと彼女が降りてきた
だろうだろうとは思っていたけど本当に吸血鬼だったのか。落ちてくる彼女に見惚れてしまう
カンカンカンカンと階段を駆け上がる音に現実に引き戻された俺は、未だに目のあっている彼女へ(ありがとな)と口を動かして引き金を引いた
次に目が覚めたのは病室だった
ベッドの近くに座ってる彼女がポツリ、ポツリとこぼされる彼女の言葉に、彼女が救ってくれたのだと嬉しくなる
彼女がもう泣かないように言葉を重ねて、ありがとう、ありがとうと伝えるけど、彼女は段々苦しそうに表情を歪めるだけでどうしてなのか、と考えていると彼女に俺の体が人でなくなった事を告げられた
人と同じ時間を歩めない人ならざるものになってしまったらしい。まだ感覚がないし分からないけれど、
それでも俺は、好きな子と一緒に同じ時間を歩めるようになって嬉しいと思ったんだ
俺を失いたくない、とまで言われてすごく嬉しかったし、泣かせたことに情けなく思った
だけど、きちんと伝えたいから、いつも君に向ける時と同じように目元を下げて笑うんだ
「たすけてくれて…ありがとう」
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漣(プロフ) - まべさん» !?!?泣いていただけたと言っていただけてすごく嬉しいです!とても素敵なお言葉をありがとうございます!! (2019年8月27日 11時) (レス) id: af0e052924 (このIDを非表示/違反報告)
まべ(プロフ) - とっても素敵なお話ですね!!読んでる途中泣いちゃいました…!!貴方の作品に出会えて良かったです。 (2019年8月27日 11時) (レス) id: 17b10f229d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:漣 | 作成日時:2019年4月16日 5時